個人山行 あと少し「近江百山」欲張り山行 岳・男鬼山・佐和山・清滝山

【日にち】2023年10月28日(土)~29日(日)     

【メンバー】K原(L)、N西

【コースタイム】

10月28日(土)曇りのち雨のち晴れ

◆奥永源寺道の駅前登山者用駐車場7:05―黄和田町登山口7:20―(直登ルート)ー8:33岳*(だけ781.3m)ー9:40山の神峠ー10:52旭山(755.8m)ー11:50東山(東峰、中峰、西峰それぞれ790m)12:10ー12:45キトラ山(747m)ー14:00政所登山口ー14:30駐車場

距離13.8km 登り919m 下り917m

 

◆佐和山駐車場16:10ー16:30佐和山*(232.6m)ー16:55弁天山(196m)ー長寿院ー17:30駐車場  距離3.6km   登り188m 下り185m

 

10月29日(日)快晴

◆鎌刃城跡駐車場7:45ー8:00鎌刃山(384m)城跡ー青龍ノ滝ー9:30向山(659.9m)ー10:25男鬼山*(おおりやま683m)10:40ー向山ー12:50駐車場  距離8.8km 登り596m 下り613m

 

◆徳源院駐車場13:45ー清滝登山口―(368m)ー14:30清滝山*(438.9m)15:00ー15:30清滝神社ー15:35駐車場

距離3.3km   登り274m 下り269m

*印は近江百山 

 

 「近江百山」という本があります。滋賀県の山、百座を紹介する20数年前の近江百山之会が刊行した本です。私は滋賀県の山も結構登ってきていて、以前にこの本でどれくらい登ったのかを確認したところ、80座くらいでした。もう20座ほどなら完登できると思い、一つずつでも機会を作って登ることにしました。ところが残っている山を私はよく知らず、どこにあるかから確認し、登山ルートをいろいろな資料から調べないといけませんでした。

 今回2日間で4座登ることにし、登山口へのアクセス、登山ルートの所要時間など予想しながら計画を立てていると、情報が少ないのでかえって感興がおきます。今回の山行で印象的だったのは、岳への直登ルートの困難さ、山の神峠の展望と紅葉、その後のルートファインディングの難しさ、佐和山からの夕景、思ったより大きかった鎌刃城跡、男鬼山山頂表示板をシダ藪と倒木な阻まれて探せなかったこと、向山の鈴鹿らしさと降りルート探り、清滝山の長い登り階段と頂上から見た伊吹山、伊勢湾などの展望でした。山歩きの初心に帰るような気がしました。

 今回は欲張りな山行でしたが、あと4座、楽しみながら登ろうと考えています。同行者からクレームが出ないよう無理をせずに・・・(^^;)(K原)

 

 未完登の近江百山を完登するため、ちょっと欲張った山行を計画した。道の駅永源寺渓流の里駐車場に着いたときは空は厚い雲に覆われていたが、徐々に天気は回復するだろうと願って山行を開始した。集落のすぐ近くに岳登山口があり、案内表示板もある。熊出没注意!とは書かれていないのでちょっと安心。城があったのだろうか石垣がある。昨夜降った雨も乾いて登山道は歩きやすかったが、途中から急坂の激登りとなった。一部にだけ短いロープがあったが、あとは石や木を頼りに四駆で必死に登る。滑ったら大怪我をするだろう。急坂を登ると岳の山頂に到着。

 その後はピンクテープに沿って緩やかな稜線を歩く。途中、松とヒノキの幹が合体した珍しい木に遭遇。葉っぱも色づき始めている。鉄塔に着いて、地形からもここが峠のように思えたが、ヤマップとヤマレコの地図では山ノ神峠はまだ先だと案内していたのでおかしいと思ったが、鉄塔近くの木に山ノ神峠と表示されていた。GPSアプリに頼りすぎす、地形と紙地図でも確認することが大事だと思った。ピンクテープに沿って進んでいったが、ピンクテープをあてにし過ぎて、ここから若干ルートから外れていった。

 次の鉄塔に着いてK原さんがコンパスで位置確認をすると、思っている方向とは逆を示した。おかしいなと思ったが、コンパスが壊れたのだと思い込んでしまい、コンパスよりもピンクテープと自分(K原さん)の勘を信じて歩いてしまった。実際は近くに鉄塔が2つあり、この鉄塔ではない別の鉄塔に行かなければなかった。(因みに私のコンパスは登山開始してすぐに、ウエストポーチの中でパカッと外れてオイルが漏れて使い物にならなかった(^^;)今朝、コンパスを使おうとした時に、大きい気泡ができていたので、その時点で隙間があったのかもしれない。この時点でGPSアプリで方角を確認したらよかったのだが、地図読みのエキスパートの勘とピンクテープを信じてしまった。)暫く歩いてどうもおかしいことに気づき、GPSで確認すると逆方向に歩いていた。先ほど確認した時点でコンパスは狂っていなかったのだ。ピンクテープに頼り過ぎていたことを反省し、元の場所まで引き返し、再度コンパスとGPSで進行方向を確認して歩いた。

 次の分岐で旭山方面を目指す。1週間前に取りつけられた手書きの案内表示がある。旭山山頂は展望はなかった。分岐まで戻り東山に向かう。東山(東峰)と東山は近く、東山で昼休憩をとった。休憩を終えると小雨が降ってきた。東山(西峰)への登山道はわかりにくく、そこから次のキトラ山へのルートもわかりにくいので要注意だ。人も動物もおらず、ひっそりと幻想的な雰囲気だ。分岐に戻り登山口まで下山する。雨は降っているが樹林に覆われているため、それほど濡れずにすんだ。足元に注意しながら、ずっと一定の斜面を下っていくと、登山口に着いた頃には雨が上がり、少しずつ陽が射し始めてきた。道の駅で明日の北部の天気を確認し、晴れると期待して予定通り佐和山城跡へ移動する。

 佐和山城跡に着いた時には北部もすっかり雨がやみ晴れ間が広がっていた。龍潭寺から登り始め、佐和山山頂からはサンセットと彦根城をきれいに見ることができた。5時頃にはいっきに陽が沈み暗くなってきた。道の駅近江母の郷で車中泊した。

 

 翌朝早朝4:00頃は雨が降っていたが、その雨もやみ、6時にはすっかり青空が広がっていた。鎌刃城跡の駐車場には車は1台もない。昨日よりも一層熊に遭いませんようにと願いながら準備していると、静岡ナンバーの車が駐車した。誰か登山者がいてくれた方がいいなと期待して、「男鬼山に行かれますか?」と伺ったが、残念ながら鎌刃城跡を見に来ただけとのことであった。鎌刃城跡は事故が多いからだろう、しっかり表示があり、登山道にはロープが取りつけられている。地元の方が整備してくれているのだろう。それでも危ない箇所はあるので注意して歩く。山頂の雰囲気と展望はよく、湖北の山々を見ることができた。この後、男鬼山へ向かうので山頂だけしか行かなかったが他にも見所が多くありそうだ。

 ピンクテープに沿って男鬼山登山口から登っていく。早朝に降った雨も既に乾いているが、斜面は滑りやすく歩きにくい。斜面を暫く歩くと登山道に出て、そこからも等間隔にピンクテープがついている。動物だろうと思われる踏み跡が多くある。滑りやすい斜面では人が滑った跡も残っている。昨日の雨の中を歩いた人がいるのだろうか。霊仙山トレイルのルートにもなっているようで、トレイルの表示がある。途中から雰囲気のいいブナ林になり、射し込む陽射しがとても気持ちがいい。鉄塔が見えてきて向山に到着。展望がよくとても気持ちがいい。この展望だけでもここに来た甲斐がある。向山山頂の雰囲気はとてもよく、小熊が遊んでいる姿が想像できるくらいに、熊が似合う山だなと思っていると、山名板のすぐ下に熊のものらしい糞があった。目的は男鬼山に行くことなので、熊に遭遇しないことを願いながら歩くしかない。ピンクテープに沿ってGPSで確認しながら歩いていく。林道もあるがこの林道がどこに続いているのかはわからない。

 男鬼山の山頂付近まできてウロウロして山名板を探すが見つからない。一番高いと思われる場所は倒木とシダに覆われている。山名板はその中にあるのか。何としても山名板を見つけたいと思い、頑張って入れるところまで行ってみたが、シダが生い茂り残念ながら山名板は探せなかった。山頂でヤブ漕ぎしている姿を写真におさめたので良しとしよう。

 向山まで戻り、歩かれた山行レポもあったので東側のルートから下山することにした。すぐに苔ワールドが広がっていて、こっちのルートを選んで正解だったなと思ったのは束の間、ピンクテープはすぐになくなり、踏み跡もわからなくなってきた。引き返そうか迷ったが、既に3分の1くらい下ったのでそのまま下山することにした。ここから激下りが始まった。木に捕まりながら足元に注意して下っていく。GPSで確認しながら、どんどん下ると少し緩やかになり登山口に下山した。登山口にはピンクテープが取り付けられているが、ここにピンクテープがあるからと思って、ここから登ってもその先にはピンクテープはなく、激登りになるので注意してもらいたい。予想通り人にも会わなかったが、動物にも遭遇することなく下山できてよかった。

 12時45分に鎌刃城跡登山口の駐車場に戻り、今回最後のミッションである清滝山へ向かう。登山者用駐車場に駐車し、半時計回りで登っていく。下から見ると、山頂にはアンテナ3本と小屋と木が植えられているのがわかる。なぜ木があるのか。登って確かめるしかない。最初、暫くは階段が続く。50分程で山頂に到着した。山頂には木が植えられており、木陰にお地蔵様がおられた。伊勢湾と琵琶湖が見渡せ、前にはどーんと伊吹山が聳えて、湖北の山々を見渡すことができとても気持ちがよかった。

 ちょっと欲張った近江百山探訪であったが、計画通り全て完登することができた。熊に遭遇することを一番恐れていたので、無事に下山できてよかった。(N西)