初秋の栂海新道をゆく

照葉の池の上に雪倉岳、その右白馬岳、旭岳、手前右が朝日岳
照葉の池の上に雪倉岳、その右白馬岳、旭岳、手前右が朝日岳

イブリ山~朝日岳など12山を制覇して、日本海に下りる納得のロングコースです

日   程: 2014年9月19日(金)夜発~22日(月)
参 加 者: Y森(CL,車) M田(SL) K西(会計) M内(救急)
コ ー ス: 親不知天険口に車を置く→(タクシー移動) →北又小屋から朝日岳へと登るコースで

9/20(土)1日目 北又小屋から朝日小屋まで 晴れ

 

【コースタイム】
 北又小屋(700)7:10→1合目(840)7:45→2合目(940)8:10→3合目(1020)8:25→4合目(1140) 9:05→5合目(1300)9:25→6合目(1390)9:50→7合目(1500)10:10→8合目(1620) 10:45→9合目(1720)10:55→10合目;イブリ山(1791)11:20→夕日ヶ丘(1932)12:40→ 朝日平:朝日小屋(2140)13:40

 

【行動】  
 前夜。親不知観光ホテル下の駐車場で仮眠。早朝、饒舌なおじさんが運転するタクシーで「北又小屋」まで。去年、栂海新道はお天気の都合で中止になり朝日岳までの往復となった。去年の光景が断片的に思い出されてきた。
 700mから1791mのイブリ山までの10合目までは1合毎に標識があり急登が続く。5合目のブナ平は名前の通りブナ林が綺麗な処。去年はサル軍団がいて怖い思いをしたので今年も遭遇したら嫌だなあと思っていたら、どこへ移動したのか、ゆっくりと休憩できた。
 イブリ山まで来ると樹林帯を抜けて今までの景色と変わってきます。しかも、朝日岳の方向の斜面は草紅葉ですっかり秋です。暫し休憩を兼ねての撮影タイム。今日の行程の半分は来たかな?2140mの朝日小屋まで頑張って行きましょう!そこから痩せ尾根の岩場を注意して暫く行くと「天上のお花畑」にふさわしく夕日が原のお花畑は最盛期は見事なんでしょう。でもチングルマの綿毛は見事に綺麗です。(今の時期のお花は写真で)
 お天気も良かったけれどガスも出てきて辺りの景色も分かりずらくなってきた所で赤い朝日小屋の屋根が。やっと着きました。             
 女将さんの細かい心配りのお部屋とお食事。明日からの長い行程を歩く身体には有難い。


※女将さんから。

栂海新道行かれる方に一言。この行程は体力勝負です~栂海避難小屋まではお花も綺麗でルンルンです。そこから先がまた長いです。やっと坂田峠に着いてもまたその先が長いです。足も疲れているので注意して行ってください。でも頑張って是非日本海に足を浸けて下さい。

との事でした。

サア!これからの2日間どうなりますか?

(記録 K西)

 

北又ダムを背に吊り橋を渡って出発
北又ダムを背に吊り橋を渡って出発
3合目を過ぎるとブナ林が出てきて楽しめます
3合目を過ぎるとブナ林が出てきて楽しめます

ミヤマダイモンジソウ
ミヤマダイモンジソウ
オニシオガマ
オニシオガマ

イブリ山山頂(1,791m)から前朝日、朝日岳をバックに
イブリ山山頂(1,791m)から前朝日、朝日岳をバックに
少し下って、また登り、ヤセ尾根の岩場を越える
少し下って、また登り、ヤセ尾根の岩場を越える

キンコウカ
キンコウカ
ミヤマリンドウ
ミヤマリンドウ

カライトソウを横に登山道をゆく
カライトソウを横に登山道をゆく
夕日ケ原を越えて。 夏は素晴らしいお花畑でしょうね。
夕日ケ原を越えて。 夏は素晴らしいお花畑でしょうね。

オヤマリンドウ
オヤマリンドウ
ウサギギク
ウサギギク

朝日小屋の手作り夕食、ワインも付いてます。
朝日小屋の手作り夕食、ワインも付いてます。
翌朝、ご主人の清水さんと朝日小屋の前で
翌朝、ご主人の清水さんと朝日小屋の前で

 

9/21(日) 2日目 朝日小屋~朝日岳~栂海山荘まで 快晴


【コースタイム】
5:40朝日小屋発―6:40朝日岳―7:30吹上のコルー9:00アヤメ平―11:10黒岩山―12:30サワガニ山―14:30犬ケ岳―14:40栂海山荘

 

【行動】
真っ白 夜明け前に外に出てみると満天の星!空が白みだしたころ、朝日小屋のオーナー清水さんに送られて出発する。朝日岳へと続く木道は、雪かと見間違うほどの霜で真っ白になっている。滑らないように気をつけて、1時間ほどで朝日岳山頂に到着する。朝日がまぶしい山頂からは360度の展望が広がる。白馬岳、立山、剱岳、妙高、火打岳や雨飾山、白山などなどの絶景をゆっくりと楽しむ。  
              
いよいよ栂海新道 吹上のコルの分岐から東に向かうと蓮華温泉へ、北に延びるのが栂海新道である。栂海新道は「さわがに山岳会」が6年をかけて拓いた北アルプスと日本海をつなぐ完全縦走路だ。日本海目指してここから長い縦走が始まる。長栂山から黒岩山までのアヤメ平、黒岩平は所々に池塘が点在し、辺り一面の草紅葉はまるで庭園のようだ。名残の花々に出会えるのも嬉しい。誰一人出会うこともなく熟女4人組みでひとり占めの雲上の楽園だ。黒岩平の水場で喉を潤し、黒岩山にたどり着いた時に、東京から一人で来たという青年に出会う。猿倉から大雪渓を登り、昨夜は雪倉避難小屋で泊まり、今日は、栂海山荘泊まる予定だとか。若いって素晴らしい。


栂海山荘 犬ケ岳手前の北叉ノ水場で今夜の食事と明日の行動用の水を補給し、犬ケ岳の急坂を登る。犬ケ岳山頂を過ぎると、すぐ真下に栂海山荘が見えてくる。栂海山荘も「さわがに山岳会」が建てた小屋で、しっかりとした造りである。中にはマットや毛布がたくさん積まれていて嬉しい。広々とした1階にわれら女性4人、隣の部屋と2階にそれぞれ、単独男性が数名でゆっくりとくつろぐことができた。まだまだ明るい小屋横のベンチで乾杯!明日に備えて早々にシュラフにもぐりこんだ。

(記録 M田)

チングルマに霜が降りてとっても綺麗
チングルマに霜が降りてとっても綺麗
朝日小屋を後に朝日岳に登ります
朝日小屋を後に朝日岳に登ります

霜で真っ白になった木道を歩く
霜で真っ白になった木道を歩く
朝日岳山頂(2,418.3m)にて。左から白馬、旭岳。薄く剱
朝日岳山頂(2,418.3m)にて。左から白馬、旭岳。薄く剱

朝日岳山頂から白馬岳、旭岳、右手奥に剱岳、大日岳方面
朝日岳山頂から白馬岳、旭岳、右手奥に剱岳、大日岳方面
朝日岳山頂から少し東に下るとこれから行く栂海新道方面が見える
朝日岳山頂から少し東に下るとこれから行く栂海新道方面が見える
朝日岳山頂から剱岳アップ
朝日岳山頂から剱岳アップ
栂海新道の入り口、「吹上のコル」
栂海新道の入り口、「吹上のコル」

さあ、ここからが「栂海新道」青空の下、GO~
さあ、ここからが「栂海新道」青空の下、GO~
照葉の池近くから振り返って朝日岳方面
照葉の池近くから振り返って朝日岳方面

シロウマアサツキ(最盛期はピンクです。)
シロウマアサツキ(最盛期はピンクです。)
アヤメ平に到着
アヤメ平に到着

今夜のお宿(栂海山荘)が見えます。中央の雲の下あたり。遠~い
今夜のお宿(栂海山荘)が見えます。中央の雲の下あたり。遠~い
黒岩平の湿原に到着
黒岩平の湿原に到着

黒岩山山頂(1,623.6m)にて。ここまでのルートが見えます。
黒岩山山頂(1,623.6m)にて。ここまでのルートが見えます。
黒岩山(1,623.6m)にて。ここより本格的なアップダウン
黒岩山(1,623.6m)にて。ここより本格的なアップダウン

サワガニ山を越えるとやせ尾根の稜線です
サワガニ山を越えるとやせ尾根の稜線です
今夜の水を汲んでの、この登りは辛いなあ~。
今夜の水を汲んでの、この登りは辛いなあ~。

東京のお兄さんと犬ケ岳山頂で
東京のお兄さんと犬ケ岳山頂で
やっと、犬ケ岳山頂直下にある栂海山荘に到着
やっと、犬ケ岳山頂直下にある栂海山荘に到着

早めの到着でゆっくりと栂海山荘の前で
早めの到着でゆっくりと栂海山荘の前で
外のテーブルでアルコールでまったり
外のテーブルでアルコールでまったり


9/22(月) 3日目 栂海山荘~白鳥山~親不知天険口 曇りのち晴れ


【コースタイム】
5:25栂海山荘→6:15黄連山→7:05菊石山→7:47下駒ケ岳→9:00白鳥小屋→10:25シキ割の水場→11:15坂田峠→12:00尻高山→12:55二本松峠→13:05入道山→14:10親不知登山口着→14:15日本海海岸14:40→親不知ホテル展望風呂・栄食堂のタラ汁17:00朝日IC高速


【行動】
 栂海山荘から親不知天険登山口までの距離は、この3日間で一番長い距離。疲れた足腰だけに、慎重かつ覚悟して、早朝ガスの中明るくなってから出発する。急な下りからのスタートは,菊石山まで300m程の下り。アップダウンの繰り返しの道のりをピーク数を当てながら、自分なりにこれは、ピークではない?と集中して歩くことができた。黄連山の水場から菊石山の登りと菊石山から下駒ケ岳の下りでは、ブナ林の美しさに見惚れながら、静かに歩けたのもよかった。白鳥小屋までの急登を頑張ったが、展望は望めなかった。天気も次第に曇りから晴れになり、樹林帯に木漏れ日が差し込む明るさに癒された。シキ割から坂田峠までの金時坂の長い下りが一番堪えた。坂田峠から尻高山の緩やかな登りを過ぎ、入道山の登りでは、空の青さなのか日本海の青さなのかわからないくらい突然現れる「真っ青な色」に感動。最後は、4人揃って着地。海抜0mの海岸まで直行、記念写真をとって階段をまた登り返した。親不知ホテルの展望風呂からの日本海も最高の眺めであった。金木犀の香に下界の秋を感じた。腹ごしらえは、栄食堂の「たら汁」とお決まりのコースで「栂海新道」完結。3日間の山行を終え無事大津へ帰還。

(記録 M内)

最終日は左に続く山並みを行きます。てえ~、アップダウンばっかりじゃん。
最終日は左に続く山並みを行きます。てえ~、アップダウンばっかりじゃん。
下駒ケ岳手前のブナ林
下駒ケ岳手前のブナ林

菊石山~下駒ケ岳間はきれいなブナ林が続く
菊石山~下駒ケ岳間はきれいなブナ林が続く
急登を登り終えてやっと白鳥山(1,286.9m)に到着
急登を登り終えてやっと白鳥山(1,286.9m)に到着

白鳥小屋で4人そろって、ハイ、ポーズ
白鳥小屋で4人そろって、ハイ、ポーズ
最後の坂田峠への下りは、とても急斜面です。
最後の坂田峠への下りは、とても急斜面です。

坂田峠を越えて、尻高山(677.4m)に到着
坂田峠を越えて、尻高山(677.4m)に到着
見えた~。日本海。青~い。もうすぐそこです。
見えた~。日本海。青~い。もうすぐそこです。

親不知の天険口登山口に下山、完歩。やった~。完歩の喜びと疲れに満足している4人でした。
親不知の天険口登山口に下山、完歩。やった~。完歩の喜びと疲れに満足している4人でした。
その上、まだ、海岸まで行って海水に触れて登山を終了。
その上、まだ、海岸まで行って海水に触れて登山を終了。


【Y森の感想】

何回も延期になって、何年も待たされたこの山行でしたが、天運とメンバーの力に支えられ、やっと念願かない完登することができました。お礼申し上げます。
距離が長いので足が持つかなと多少、不安でしたが、朝日小屋に着く頃には、そのような不安は消え、とても楽しんでいる私になっていました。次の日のルートはあれだけ、景色がいいとは、思っていませんでした。素晴らしい眺望の連続でした。3日目の坂田峠から先は、疲れまくって楽しめないと思っていたのですが、なんのなんの坂田峠から先は道も良く、涼しい風も吹いてきて、青空と日本海も見え、ゴールが近いこともあり、最高の気分でした。十分楽しむことができました。

成功の鍵は、
朝日小屋のご主人が助言して下さったことに尽きると思いました。①涼くなる9月下旬を選んだ。②中間点の栂海山荘で泊まった ③荷物を少なくすることに努めた。最後にチームワークですね。同行の皆様、か弱きCLを支えて頂きありがとうございました。感謝いたします。 さあ、次はどこに行こうかな?