コマクサに会う山旅 蓮華岳、針ノ木岳へ

山 行 日: 2012年8月3日(金)夜発~6日(月)

参 加 者: Y森(CL)、Y永(SL)、M田(記録)、K西(救急)の4人

コースタイム:

8月3日(金)

19:50草津田上IC→23:20豊科IC→0;15扇沢駐車場  (仮眠)

8月4日(土)

5:50扇沢駐車場→7:15大沢小屋→8:05針ノ木雪渓→10:50針ノ木小屋(受付後針ノ木岳へ)11:30 →12:40針ノ木岳13:25→14:25針ノ木小屋 (泊)

8月5日(日)

6:00針ノ木小屋発→7:20蓮華岳7:35→(蓮華の大下り)→9:00北葛乗越9:25→10:40北葛岳→11:30七倉乗越→12:40七倉岳→13:05船窪小屋 (泊)

8月6日(月)

5:30船窪小屋→6:10天狗の庭→8:10唐沢ノゾキ→9:20七倉山登山口→ 9:30 七倉山荘前 9:50タクシーで扇沢バスターミナル無料駐車場へ→10:20 上原の湯で入浴 400円 「わっぱら屋」で昼食  13:00豊科IC→17:10草津田上IC

 

記   録:

8月3日(金) 晴れ  駐車場がいっぱい

 夏山集中の白山から帰って5日後の山行だ。Y森車にみんなが乗り込んで順調に扇沢へ到着。バスタ ーミナルすぐそばの有料駐車場は一日1000円かかるらしく、すぐ下の無料駐車場へ向かう。もう すでに満車状態だったが、なんとか空きスペースに車を押しこんで仮眠をする。

 

8月4日(土) 晴れ  針ノ木雪渓を行く

 すっきり目覚めて、バスターミナルで身支度を整え、針ノ木岳登山口へ向かう。 雲ひとつなく晴れ渡っているが、さすがに標高1400mほどの地点は涼しい。気持ちのよいブナ林を抜けて大沢小屋で休憩タイム。既に多くの登山者が集まっている。沢沿いに緩やかな傾斜を登っていくと木立の間から蓮華岳や針ノ木雪渓が見えてくる。沢を渡ると、いよいよ針ノ木雪渓の登りだ。軽アイゼンを装着して登り始める。紺碧の空と雪渓のコントラストが美しい。日差しはまぶしいほどに強いが、雪渓を渡る風が涼しく気持ちがいい。なんとか雪渓を登り終えてからのガレ場の急斜面が苦しい。喘ぎながらようやく針ノ木峠にたどり着く。

 

扇沢から針ノ木雪渓を登る
扇沢から針ノ木雪渓を登る
雪渓上部になると鹿島槍も見えてきます
雪渓上部になると鹿島槍も見えてきます

 峠に建つ針ノ木小屋はこじんまりときれいだ。小屋の正面、南側には遠く槍ヶ岳がそびえている。労山カードで割引の受付を済ませ、空荷で針ノ木岳へ向かう。シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ウサギギクなど多くの花々が目を楽しませてくれる。登るにつれ鹿島槍ヶ岳、さらに高度を上げるとスバリ岳の向こうに剣岳が現れた。針ノ木岳の山頂は360度の大パノラマ。南斜面の谷底に黒部ダムが水をたたえ、上部には立山、剣岳がそびえている。のんびりと絶景を楽しんで小屋に戻り、ビールで乾杯。

針ノ木峠からまずは、針ノ木岳へ、途中から剱アップ
針ノ木峠からまずは、針ノ木岳へ、途中から剱アップ
針ノ木岳山頂から黒部ダムを見下ろす
針ノ木岳山頂から黒部ダムを見下ろす

8月5日(日) 晴れ  ハイライト、山一面のコマクサ群落

 朝から快晴。小屋の正面に昨日は見えなかった富士山がくっきりと姿をみせていた。今日は、針ノ木岳と反対方向の蓮華岳を目指す。いきなりの急登で高度を稼いで、緩やかなガレ場の斜面に出ると、こちらにも! あちらにも!コマクサが可愛らしい姿を見せてくれる。槍ヶ岳をバックにコマクサをカメラに収めようと何度もシャッタータイムを取りながら、さらに先を行くと、なんとなんと一面のコマクサの群落だ。山全体がコマクサに埋められているのだ。燕岳や八ヶ岳でコマクサに出会ったことがあるが、こんなに一面の群落に出会うのは初めてだ。それにしても草一本生えないような高山のガレ地に、こんな可憐な花が咲いていられるのだろうか!? 本当に感動です。

針ノ木からの下山途中で蓮華岳とチングルマ
針ノ木からの下山途中で蓮華岳とチングルマ
蓮華岳山頂付近のコマクサとアルプスの山々
蓮華岳山頂付近のコマクサとアルプスの山々

蓮華の大下り

 蓮華岳の山頂はゆるやかで、西側には昨日登った針ノ木岳が大きくそびえ、南側には北葛岳から七倉岳へ続く尾根が伸びている。山頂を後に、まだまだコマクサ群落が続くガレ場の下りを進むと、K西さんが発見!白く輝くコマクサだ。白いコマクサがあるらしいと聞いてはいたが見るのは初めてで、みんな感動。こちらに下る人は少なく静かな登山道だ。いよいよ蓮華の大下り、ガレた急斜面のクサリ場だ。下から登ってくるパーティーに道を譲り、石を落とさないように、慎重に下っていく。ようやく下りきり北葛乗越で一息入れる。ここからまた急登で北葛岳へ向かう。北葛岳山頂を後にまたまた下りを行くとミネウスユキソウやシモツケソウ、チングルマなど可憐なお花畑が広がる。こちらも何か所も梯子がかかり厳しい下りだ。七倉乗越から、やせ尾根を登っていくとやっと七倉岳山頂だ。

コマクサアップ
コマクサアップ
蓮華岳山頂から、蓮華の大下りの始まりです
蓮華岳山頂から、蓮華の大下りの始まりです

途中には白いコマクサも見つけました
途中には白いコマクサも見つけました
岩場を慎重に
岩場を慎重に

ランプの小屋 船窪小屋

 山頂から少し下ったところに青い屋根の船窪小屋が見えてくる。小屋のスタッフの人達が鐘を鳴らして私たちを迎えて下さった。ベンチにザックをおろすと、温かいお茶のおもてなし。お父さん、お母さんと慕われるご夫妻の温かいもてなしが評判のランプの小屋だ。夕食までの時間をゆっくりと外のベンチでビール片手に絶景を楽しむ。すぐ目の前に船窪岳、不動岳、烏帽子岳が連なっている。この日は烏帽子岳からやってくる登山者が多かった。 夕食が素晴らしかった。電気もない小屋で、こんなご馳走が頂けるなんて!一品一品にお母さんの心がこもっていておいしかった。夕食後はネパール人のスタッフが入れて下さったネパール茶を頂きながら宿泊者がそろって団欒。ほとんどが、評判の船窪小屋に来てみたかったという人達だ。登山歴の長いお父さんのお話が興味深かった。2年ほど前に、お父さんが中心となり、「道しるべの会」というボランティアの皆さんで針ノ木古道を復活されたそうだ。船窪小屋から針ノ木谷を下り黒部湖の平ノ渡へと続く古道だ。是非とも、また辿ってみたいルートだ。

青い屋根の船窪小屋
青い屋根の船窪小屋
光はランプのみ、評判が良いです
光はランプのみ、評判が良いです

8月6日(月) 雨のち晴れのち雨 鼻突八丁の急坂を下る

 明け方の強い雨とイナズマに目を覚ます。出発時はなんとか雨も上がり、ご夫妻がそろって、鐘を鳴らして、見えなくなるまで手を振って見送って下さる。七倉ダム、高瀬ダムを見下ろしながら天狗の庭に着くころには本降りの雨となる。ここからは、鉄梯子が続く急坂だ。雨にぬれた木の根に用心しながらひたすら下って、七倉ダムに降り立った。雨も上がり、タクシーで扇沢の駐車場に戻る。あとは温泉と、おいしいおそばにほっこりとした大満足山行でした。計画して下さったY森さん。頼りになる存在Y永さん、K西さん、みなさんに感謝、感謝の山行でした。

お母さん手作りの夕食です
お母さん手作りの夕食です
出発前にご主人と奥様と一緒に
出発前にご主人と奥様と一緒に

(記録 M田)