個人山行 神様が宿る湖北の山 新緑の鶏足寺・己高山(滋賀県)

2023年5月3日(水・祝)N西、他1名

【コースタイム】

己高庵駐車場07:50

8:00登山口―08:35己高山登山口―仏供谷登山口―09:15六地蔵―仏供谷分岐―展望台ー10:00鶏足寺跡―10:25己高山10:45―11:45高尾寺分岐―12:20飯福寺登山口

 

 

 

  紅葉で有名な鶏足寺は新緑も最高にきれいだった。紅葉の時期には満車になる駐車場も、今日は1台の車もなかった。山に入る前から、青空と澄んだ空気と新緑が目の前に広がり、きれいな景色に感動した。山に入るとわかりやすい案内板と、見どころが書かれた表示があり、整備していただいてることが伝わってきた。勢いよく流れる川には何やら希少生物が生息しているとの案内があった。イラストを見ると、ナマズかオオサンショウウオのような感じする。オオサンショウウオと言えば天然記念物ではないか。そんな貴重な生物がこの川に生息しているのかと不思議に思いながら歩いていく。

 分岐の案内板を確認したのに、石田三成が身を潜めていた場所がよほど気になったのか、なぜかオトチの岩窟方面に向かってしまった。少し歩いて違うことに気づき引き返した。次回訪れてみたい。己高山登山口からは緩やかに登っていく。新緑が美しすぎて何度も感動する。すぐにこの山のファンになり、できることならこの山を買いたいくらいの気持ちになった。今までに登った里山で一番好きな山かもしれないと思うくらい雰囲気がいい。途中の展望スポットからはキラキラ輝く琵琶湖と山本山、竹生島が見える。風が心地よくとても気持ちがいい。

 

 暫く歩くと、何ともありがたい六地蔵様がおられる。風化で表面はなめらかだ。穏やかなお顔に癒される。馬止め岩は表示があったのでわかったが、牛止め岩は気づかずに通過してしまったようだ。馬と牛が登れるのはここまでという意味の岩とのこと。鶏足寺跡に入ると雰囲気が一変し、それまでとは違う空気感で、一帯からはエネルギーが感じられた。特に御神木からのパワーが素晴らしかった。石庭跡を思わせる石の近くには、可愛いクリンソウが咲いていた。鶏足寺なだけに大きな声で鳴いているのは鶏?にわとりなんているはずがなく、鳴き声の正体はアズマヒキガエルだった。鶏足寺跡には水が流れており、そこに生息しているようだ。

 鶏足寺跡から30分程度で山頂に着いた。山頂にはしめ縄がかかった御神岩があり、お米と水がお供えされていた。射し込む陽ざしが明るくてとても気持ちがいい。山頂までの登山道は整備されて、一定間隔にピンクテープもあるのでわかりやすい。

 少し休憩し鶏足寺方面に下山する。登山道は枯れ葉の絨毯で、あまり歩かれていないようで土も柔らかい。分岐箇所には必ず表示があるのでありがたい。ただ、“飯福寺方面”と書いてあるが、飯福寺が鶏足寺のことだと理解できたのは下山してからだった(^^;)下山はずっと緩やかな下り坂が続く。登山道の枯れ葉からごそごそ音がするのはヘビだろう。冬眠から覚めたヘビが日向ぼっこしているのだろう。

 飯福寺登山口でO山氏に会った。己高山を管理・整備されている方とのこと。案内板、ピンクテープ、ロープの取りつけ、倒木の整備、クリンソウのお世話までしてくださっている。遭難の連絡を受けた時は、暗い中でも捜索活動をしてくださっているとのこと。本当にありがたい。黄金の仏像を発見された時のことなど、貴重な話も聞かせていただいた。すっかりこの山のファンになった私は、O山氏にその気持ちを伝えれることができてよかった。そして、なんとO山氏はオオサンショウウオを守る会の方でもあった。この川に生息しているのは、ナマズではなく天然記念物のオオサンショウウオのようだ。湖北の素晴らしい山を守っていただいている方々に感謝します。安全に楽しく登山ができるのは、このように山を守ってくださっている方々のお陰です。山の神様がめぐり合わせてくれたのだと思います。ありがとうございました。

 

★鶏足寺の名前の由来

延暦寺を開いた伝教大師最澄が、あるとき、行基菩薩の聖跡を慕って、このあたりまで来られたおり、不思議な鳥の声とその足あとに導かれて進むうち、すっかり朽ち果てていたお寺の跡に十一面観音のお像を見つけられたことが、鶏足寺の名の由来らしいですよ。