山への恩返し 大文字山登山道整備に参加して

【日程】 2023年3月4日(土)

【参加者】 M内、K原、N西

 

9時京阪山科駅集合 15時作業終了

大文字山安祥寺上寺跡左俣の登山道整備

 

安祥寺上寺は平安時代前期(848年-852年頃)に創建されたが、応仁の乱(1476年~1477年)で焼失し、その後、廃寺となる。

 

  4年ほど前、如意古道を歩いたとき、前年の台風で倒木がおびただしくて、登山道もわからなくなるほどだった。その後、年を経るごとに整備されて主なルートはほぼ以前のように歩きやすくなった。公的機関で整備してもらっているのかと思っていた。今回、府連の整備作業を聞き、少しでも協力できればと参加した。予想より少人数でチェーンソーもなく、意外だった。これまで2,3人で作業することもあったとのこと。今回の10人は最も多いそうだ。だいぶ前に藪を伐り開く作業や間伐作業はしたことがあったが倒木を伐って取り除くのは初めてだ。

 登山道に入ってしばらく進むと急に倒木帯になった。そこまでは少しずつ整備されていて、今日はここから時間が許す範囲で整備作業を始める。ほとんど鋸だけの手作業。つっかい棒やロープを使って、伐っては引きずって運ぶ。忍耐と体力、息を合わせての協力だけで気の遠くなるような作業だ。5時間あまりで20mほどがなんとか整備できた。このひとつの谷でもまだまだ倒木があり、他の谷なども手付かずのようだ。今後も整備作業に時間と体力が許せば協力したいと思った。それにしてもひとつの台風でこれ程の倒木、それだけではない甚大な被害を及ぼすことに改めて驚き、その膨大なエネルギーを実感した作業だった。(K原)

 

  京都府連が大文字山登山道を整備されていると聞いて、いつも楽しませてもらってる山に恩返しがしたいと思い参加した。京都府連の方7名(男性4名、女性3名)と計10名で作業を行った。

 作業場に着くとリーダーから今日の作業内容についての説明を受ける。登山道に横たわっている大きな倒木2本の処理をする予定。まず既に作業された枝や木を登山道横にきれいに積み重ねる。枝でも木は重い。次にスギの倒木の枝をのこぎりで剪定する。斜面には鋭いトゲのある枝があちこちに落ちていて注意が必要だ。斜面に自分の足場を確保して剪定していく。スギの木はまだ生きているのだろう。葉は青く花粉が大量に舞い散る。舞い散るスギ花粉の中で作業をしていたが、数回くしゃみが出ただけで済んだ。普段は花粉症の内服薬がかかせないが、この日は薬を服用していなかったにもかかわらず、これだけの症状でおさまったことが不思議だ。細い枝でさえものこぎりで切るのは力がいる。切った枝は長さを揃えて登山道脇に積み重ねていく。1本の倒木を枝の処理するだけでも一苦労だ。

 続いて太い倒木を2m程度の一定の長さに切り揃える。木の外側はのこぎりの刃も入りやすいが、切っていくうちに木がしなりのこぎりの刃が進まなくなる。そうならないようにV次に切っていく。丸太を半分くらいまで切ると木が硬くてとても力がいる。丸太の下に置いている沿え木の位置をすらしながら切っていく。そして、切り終えたときに丸太が転がらないようにロープで固定する。ミシミシと音がして太い丸太がドスンと落ちる。なんとも気持ちがいい瞬間だ。切り口がとてもきれいだ。まだ瑞々しく樹齢40~50年くらいだろうか。立派な木だ。ここからも大変だ。2m程に切った丸太にロープを括り付け、3名で登山道脇の置き場に運ぶ。切った木をきれいに揃えて完了。倒木処理におけるリーダーの美学だ。このような作業を繰り返す。

 15時に作業を終了し、今後の作業場所の確認も含めて、倒木を跨いで潜って安祥寺上寺跡まで登った。倒木で更に登山道は荒れている。安祥寺上寺跡は開けており展望もよい。近くに千頭岳、音羽山、京都市内、遠方には大阪市街が見渡せる。

 いつもは3~4名程度で作業をされているとのこと。今日は10名もいたので予定よりだいぶん進んだようだ。人海戦術だ。左俣の登山道整備区間は100m程で、倒木も多く整備するのに1年以上はかかるだろう。今日は15m程進んだのだろうか。このような作業に参加してみたいと思っていて、今回初めて参加させていただいて、倒木処理がいかに大変な作業であるかを思い知らされた。安全にハイキングができるのは、このように作業してくださっている方たちのお陰だ。京都府連では月2回、大文字山登山道整備をされています。この記録を読んで、少しでも関心を持っていただき、参加してみようと思っていただけたら嬉しい。(N西)