個人山行 比良山系の東端

 

 【日程】2022年5月5日(木・祝) 快晴  

【参加者】T永(L)、M田、K原(記録)

【行程】 近江高島駅9:02-城山台登山口-ヤクシガムネ-蓮池-10:40長法寺

城跡-11:10長法寺跡-11:50打下城跡12:15-13:20三尾山-登山口

-15:30近江高島駅

 

 

 

 比良山系に「三尾山」という山があります。標高375m、湖中の鳥居で有名な白髭神社の北西側の真上にあって、この山が比良山系の東端の山だと思います。この山頂からの展望は素晴らしいものかと期待して登りましたが、山頂の周りはヤブで覆われていて展望はありませんでした。

 今回の山行の目標はその近くの「長法寺跡」と「打下城跡」でした。歩いたルートは地形図にもガイド地図にも全く書かれていません。しかし現地には古く

からの道がしっかり残り、1200年近く前に創建された「長法寺」の参詣道だと思います。寺跡の遺跡は山中の三、四段の平らな所に埋もれかけた礎石、石段、石垣が残るだけでしたが、却って往時の姿が想像されます。

 500年以上前には傍の尾根に「長法寺城」があり、近くの山上に「打下城」も築城され、戦国時代の要衝だったようです。「打下城」は1550年頃に地域の領主、その後浅井氏や朝倉氏の戦国大名、やがて天下人の織田信長の陣所になるなど、歴史の変動に揺れ動いたようです。城跡は標高374mの山頂と周りの尾根に何段かの小さな平らな所と土塁があるだけでしたが、周囲の樹木が無ければ高島の平野から湖北・湖東が一望でき、眼下に大溝城と湖西街道(西近江路)を見て、湖西の要地、要害の山城だったことがわかります。

 滋賀県には戦国時代までの山城跡が1300以上あると言われています。そのほとんどに戦いの歴史があったはずで、白鳳時代の壬申の乱から関ヶ原の戦いまで千年近く、近江の国は戦いの連続だったと思います。現在の山城跡はほとんど何もなく、静かに埋もれ自然に帰りつつあります。これは「一応の平和」を意味していると考えていいでしょうか。

 今回は山城跡などを歩くことで自然と時の流れを感じた山行でした。