個人山行 吹雪の上谷山から白銀の世界を堪能

【実施日】2022年2月27日(日) 吹雪のち晴れ

【参加者】K口(L・車)、K澤、H川、M田、N西(感想)

 

【コース・タイム】

 5:42浄水場出発―8:53手倉山―10:48上谷山―11:44~12:10ランチタイム―12:37手倉山―14:30浄水場

 

 

 

 実は今シーズン2回目です。1回目は1月の大雪警報が発令された次の日に、今だ!ってことで行きましたが、車を降りた所から1人で5時間ラッセルで疲れ果てて敗退。その雪辱をはらすべく今回リベンジしてきました。

 当日は車を降りた所は思った程雪が無く尚且つ雪質も良くないなー。H川さんはラッセルを楽しみにしてるのになーと思いながら登山開始。スタート後しばらくは雪が少なく(それでも積雪1.5m位は有ります)踏み後も有るのでルートファインディングもしなくて良いので気持ち的にも体力的にも楽でした。石川県からソロで来られていた女性と抜きつ抜かれつで上谷山を目指しました。

 今回、K口・K澤さん・H川さん・N西さんはスノーシュー、M田さんはワカンで挑みましたが、やはりスノーシューの方が浮力が有り、爪も多くついているので苦労は少なかったです。試しにツボ足で歩いてみると踏み抜いてしまいます。75kgも体重が有るので仕方ないですね。誰が?私、K口とH川さんがです!今回天候が良くなかったのですが、昼から回復すると言う事で決行したのですが、雪が降り、手倉山を過ぎた辺りからかな?風も強くなってきて、恐らく最大風速20m位は有ったのではないでしょうか。(昨年ゴールデンウィークに涸沢で猛烈な風に吹かれたときに近い感じでした)時おり雪や風が収まった時に目標を定めて雪庇に近寄らない踏み抜かない様に注意しながら上谷山山頂を目指しました。

 山頂付近ではホワイトアウトになる事も有りK澤さんのGPSでルートを維持しました。本来は、景色を楽しみながら山頂で昼食にし周回で下山する予定でしたが、そんな余裕が有るはずもなく、GPS上で山頂を踏んで早々にピストンで下山。ピストンでの下山もトレースを逆追いした方が安全で早く下れる判断からでしたが、10分前に通ったトレースも無くなり、時おり確認できる景色にわずかに残るトレースらしき物を頼りに分岐まで戻りました。あとは樹林とトレースが残った所を頼りに下山。しかし下りは道を間違えやすいもので本来のルートとは違う尾根へ下りました。本来のルートは隣の尾根なのでトラバースでルート修正を試みました。K澤さんトラバースクリア、H川さんクリア、N西さん落ちました(ガビーン)(T_T)。雪が深く自力で上がるのは相当厳しく、K澤さんとH川さんで引っ張り上げました。その次にM田さん、75kgのK口と続き何とかクリア、そこが1番の難所?で、あとは特段危ない所も無く下山開始。途中風が当たらない所で昼食をとり登山口へ。昼から天候が回復傾向だったので振り返って上谷山

方向を見ると晴れてました。

 今なら景色も見えるし頂上で昼食も出来たのになーって悔しく思いました。今回天候が荒れましたが今後雪山登山時のリスク回避の経験値になったのではないかと思います。できれば、ピッケルが有れば耐風姿勢と滑落停止の練習が出来たのになと言う思いが有ります。次回はピーカンの時に行きたいなぁ(笑)(K口)

 

 上谷山は低気圧に覆われている。中止かな?と思ったけれど、行って参りました!K口さん宅を午前3時に出て、4時にK澤さんと合流し登山口に向かう。余呉を過ぎた辺りから道路脇に雪がどっさり残っている。予定通り5時半に広野浄水場に着いた。曇っているが雪も雨も降っていない。雪ならまだしも雨に降られたくないなと願う。石川から来たという女性1名が先におられた。1月末にK口さんが行かれた時は、駐車場からスノーシューを装着しなければいけないくらいだったようだが、今回はつぼ足で歩き始める。しかしすぐに雪深くなり、M田さんはワカンを、他のメンバーはスノーシューを装着する。装具マニアのK澤さんのスノーシューは工夫されている。さすがだ。アライグマの尻皮を巻いてお洒落だ。トレースもあり順調に進んでいく。私たちより少し先を石川から来た女性がワカンで歩いている。強い女性だ。積雪は1.5mだろうか。“この調子なら余裕で山頂まで行けるだろう”と喋っていたが、暫くすると少し雪が降ってきて防寒具を着る。それでもまだ余裕はある。

 ちょうど登山口から手倉山の半分くらいの726mのピークを少し過ぎた辺りだろうか、そこからトレースがなくなった。ここからラッセル開始だ。屈強な男性陣がいるから心強い。頑張ってついていくが、それでもやっぱりしんどい。雪の降りもだんだんきつくなってくる。そんな中、片方のストックの先っぽがなくなっていることに気づく。ストック使えへんやん!雪深くて足だけではうまく進まないので、ストックを横にして両手で持って、手も使って登っていく。登るのに必死。後ろのK口さんはなんだか余裕そう。さすがだ。体力がある上に経験値が全然違う。でっかいエビの尻尾に、大きな雪庇。これが雪庇か。初めてみる雪庇は、まるで“昭和ヤンキーのリーゼント頭”、もしくはクジラのようだ。離れて見ると雪庇とわかるが、雪庇の上を歩いてしまったら大変だ。そんなことを思っていると、だんだん吹雪いてきた。周りは真っ白でホワイトアウト寸前。顔が痛い。私の体重では飛ばされることはないけど、気持ちは飛ばされそう。近くにいるのに声も聞きづらい。温度計はマイナス10度。山頂を目指す。K口さんが先頭を歩き、K澤さんがGPSを確認して山頂までの距離を指示する。10:48上谷山山頂に到着!ヤッター!めちゃくちゃ寒いけれど、それ以上に嬉しい!頑張りました!ラッセルしてくださった男性陣に感謝。ありがとうございました。周りは真っ白で何も見えないが雪煙が舞っている。きれいだ。天気がよかったら山頂で昼食としたいところだが、今日はそんなことしている場合ではない。写真を撮って早々に下山開始。周回の予定だったが、トレースがあった方がいいとのことでピストンに変更。数分前に歩いたトレースは既になくなっている。再びクジラの頭のような雪庇の場所に。地図とGPSで確認しながら下山する。私は寒くて地図もスマホも出せず、ただただついて行った。

 吹雪も少し和らぎ、風の当たらないところで昼食とする。スノーシューを外してほっと一息。天気も回復傾向。あとは景色を楽しみながら、安全に下山するのみ。途中道を間違えたようで、トラバースして登ってきた道に戻る。狭く雪が崩れやすいので要注意。K澤さんが慎重に歩いて行かれた。75kg級は厳しいかもと言いながらも、その後を大きなH川さんが歩いて固めてくれたはず。それなのに、私は滑ってしまった。私はH川さんよりも重いのか。注意が足りなかった。見上げるとみんなの足が見える。その程度の距離しか落ちていないのに、踏ん張ろうにも足が雪に埋まってしまって踏ん張れず、自力で上がれない。「上がれるか~?」「上がりたいけど、上がれません。」ストックを差し出してもらい、それを掴んで引っ張ってもらうにも、足に力が入らず腕の力だけで自分の体重を支えるのはなんとも厳しい。ストックで私を引きずりあげてくれるK澤さんはもっとしんどいはず。それでも、なんとか蟻地獄から脱出せねば。ストックを掴んで引きずりあげてもらった。ある程度あがったら、H川さんに体ごと上げてもらった。私が一人で行くことはないけれど、こんな状態になったら一人では到底脱出できないな。みなさんに助けていただきました。感謝しかありません。その後、動揺したのかスノーシューで何度も滑った。いかん、いかん。

 そんなことをしていたら、天気も回復してきて、雪景色を楽しみながらスノーハイクができるようになった。写真で見る雪山はモノクロで、言うなれば水墨画のようだといつも思っていたが、私が今見ている景色も水墨画のようだ。ブナ林もきれいだ。振り返ると聳え立つ上谷山がきれいに見える。元気なH川さんは走っている。上谷山の雪景色を見てみたいと言っておられたM田さんも堪能しておられる。凍っていたK澤さんのアライグマの尻皮も乾いている。天気が回復して本当によかった。14:30無事に浄水場に戻ってきた。

 初めての上谷山は強烈な藪漕ぎ。2回目の上谷山は猛吹雪。上谷山は手強いですね。お天気のいい日に登ったら、ブナがきれいで最高に気持ちのいいお山なんでしょうね。風速は山頂で20~25mくらいでしょうか。積雪は1.5m、山頂付近は2mくらいでしょうか。もっとあるかもしれませんね。伊吹山は好天、都心は最高気温だったようです。でも今日の山行は私にとって最高に良かったです。寒くてしんどかったけど楽しかった~。思い出に残る山行です。とても貴重な経験をさせていただきました。こんな経験滅多にできません。体験は一番の財産です。身体と心がしっかり記憶しています。無事に下山できたのは皆さんのお陰です。雪山を経験したことのない私を連れて行っていただいて、感謝しかありません。本当にありがとうございました。(N西)