南アルプス・仙塩尾根

日   程: 2016年8月11日(木)~14日(日)

参 加 者: TN(CL)、ST(SL・装備)、YO(食料)

コースタイム

8/11 瀬田4:30=松川IC-JR伊那大島(車デポ)8:17==9:24JR伊那市10:30--11:04高遠11:10--仙流荘11:35--12:35
    北沢峠12:45…五合目14:15…小仙丈ヶ岳15:20…仙丈小屋16:20 素泊まり
8/12 小屋4:30…5:00仙丈ヶ岳5:15…大仙丈ヶ岳5:40…2676m7:05…伊那荒倉岳7:55…独標8:40…野呂川越9:42…
   2488m10:35…2699m11:43…13:15三峰岳13:20…熊ノ平小屋14:40 テン泊
8/13 テン場4:55…小岩峰6:10…北荒川岳7:30…2701m8:25…9:20北ノ俣分岐9:30…塩見岳10:20…西峰101:25…11:27塩見小屋11:55…2512m12:27…本谷山13:17…三伏山14:12…14:30三伏小屋14:40…15:20水場15:50…鳥倉登山口バス停17:00 テント泊
8/14 バス停9:10--JR伊那大島―(入浴・食事)松川IC=栗東IC-瀬田16:00


記録

8/11(山の日)曇のち晴

 もう大分夜明けが遅くなり、まだ暗い中、栗東から高速へ。思いの外空いている。恵那山トンネルを抜け松川ICで降りる。去年と同じ伊那大島駅に車をデポする。今回は去年のリベンジ山行である。ローカル電車から何度かバスを乗り継ぎ仙流荘から臨時バスで北沢峠へ。準備を済ませ、ゆっくりと歩き出す。明るい樹林帯であるが二千mの高山。涼しい風が気持ち良い。五合目には中学生だろうか?沢山休憩している。どうも馬ノ背ヒュッテで泊まるらしい。今夜は名物のカレーですね。小仙丈まで急登が続く。北岳から正面に甲斐駒ケ岳。遠くに八ヶ岳が見えている。暫らくは稜線漫歩。残雪期や何度も通っているので楽である。少し登り返すと小屋の分岐をトラバース。後は小屋まで下るだけ。小屋のご主人が速かったですねと声を掛けられ自炊棟へ案内される。中には名古屋の大学のワンゲル部新人達が合宿をしていた。ザックを置き早速生ビールで乾杯!持ち寄りのつまみやワインで盛り上がり隣の若者たちと話も弾む。食事後、素泊まり(寝具なし)の寝床は広く快適だった。

 

8/12 快晴のちガス

 二時に目が覚め外に出る。見上げれば満天の星空。ミルキーウェイが夜空を飾り幾つもの流星が天空を切り裂いて行く。今日はペルセウス流星群極大の日なのだ。朝食を済まし何時も通り珈琲を点てる。至福の時だ。出発前小屋のご主人が挨拶に見える。とても気持ちの良い小屋であった。黎明の中歩き出す。”スッスッハー”朝一のこの時間が一番苦しい。頂上は日の出を見ようと一杯の人達だ。雲海の上に顔を出した山々。八ヶ岳・駒ヶ岳・北岳その左奥に霊峰富士山。間ノ岳・塩見岳から南アルプス南部の山々。反対側には中央アルプスから御嶽山・乗鞍岳・北アルプスの穂高・槍。胸のすく景色である。目指す塩見岳は遥かに遠い。大仙丈へと足を進める。あちこち写真タイムで止るが頂上の雑踏が嘘のように、この長い尾根は静かである。何度も通っているが大仙丈ヶ岳までは細い岩稜帯で気を使う。這松帯からアップダウンを繰り返し樹林帯へ。すると前方から少し疲れた感じの登山者が現れる。何と今日が入山9日目。光岳から仙丈ヶ岳までのロングトレールをしていると言う鉄人であった。私達には到底無理な山行である。伊那荒倉岳を登り返すと程なく高望池。幕営禁止であるがオレンジのテントが一張り。横川岳までがかなり長い。独標から見る仙丈ヶ岳。まだまだ遠い三峰岳~塩見岳までのトレイル。100m下り100m登ると横川岳に着く。トレラン姿の5・6人が休んでいる。左へ直角に折れ150m程急下降でやっと野呂川越に到着。仙丈から800m下って来た事になる。これから先、三峰まで長い樹林帯を800m登り返すのである。幾つもの倒木を跨ぎ潜り2699mから少し下り灌木帯を過ぎると最後の登り。古い鎖と錆びた針金が取り付けられている。周りにはガスが出始めている。岩稜帯を喘ぎながら登り詰める。やっと三峰岳に到着する。正面にはガスの中から時折間ノ岳(本邦三番目の高山)が顔を出す。皆もうかなりの疲労が蓄積している。此処からはルンルン気分でとはいかなかったのである。ピークから大仙丈の様な岩稜帯を下って行く。ガスで見通しのきかない中砂礫帯に変わると農鳥方面の分岐、三国平に着く。這松帯を下ると下方に熊ノ平小屋が見えてくる。鞍部まで下りトラバース気味に進むとヤットやっとテン場に着く。井川越は右側が崩れた最低鞍部だったのか?このテン場、水は豊富なようだ。しかしテントが一杯張ってあり下方に一ヵ所空いている所に設営。続々と登山者が到着する。早速ビールを仕入れカンパーイ!Y・Oさんは夕食要らないと言ってシュラフに潜り込む。それ程疲労困憊していたのです。後の二人も同じなのだが明日の事を考え持参の焼き豚や、つまみ等を胃袋に放り込み就寝する。

 

8/13 ガス・晴のち曇り

 二時半起床。今朝も満天の星空で少し見ている間に流れ星が飛ぶ。昨日より薄雲が掛っている様だ。何時もの様にモーニング珈琲を点てテント撤収。小屋を過ぎ緩く100m程登って行く。稜線に出た辺りでガスに覆われた農鳥岳鞍部から朝日が昇る。小岩峰から新蛇抜山を過ぎ2542mの最低鞍部。此処からの登りはかなり疲れた。北荒川岳に着くとガスが切れ始める。持参の1/25000地形図はかなり古いのでトラバース道になっているが実際は頂上を直登する様になっている。広い砂礫の登山道を直角に折れ進むと、あっと言う間にガスが切れ前方に塩見岳がもうかなり近くに。テンションMAXになる。雪投沢分岐を過ぎ250mの急登を喘ぎながら一歩一歩進む事一時間。やっと北ノ俣分岐に到着。Y・Oさんが急にシャリバテの様子。アンパンをお腹に流し込む。昨夜食べていないので、かなり辛そうです。反対側から見る塩見岳は何だか簡単に登れそうだ。這松をかき分け最後の岩稜を30m程登ると東峰ピークに飛び出す。同じ会のNAちゃんが数時間前にここを通過した筈です。僕たちがもう少し早ければ会えたかも知れない。狭い3046mの頂上は登山者で満員状態。記念写真を撮り西峰で休憩にする。先程までの景色が嘘のようにガスで視界ゼロ。5月の時は富士山から360度のパノラマが見られたのだが残念だ。天狗岩までの下りは、かなり神経を使う。一旦鞍部まで下りまた登り返すが疲れた体には厳しい。こんな所あったかなぁと思う。新しくなった塩見小屋に着き野菜ジュースで喉を潤し記念のバッジも仕入れる。まだ先は長いので腰を上げる。本谷山までがかなり長い。残雪期に経験しているのだが、それでもかなりのものだ。此処でも古い地形図とルートが大分変わっている。本谷山を直角に折れ緩やかに下り又緩やかに登ると三伏山。目の前にテン場が見える。色とりどりのテントがもう一杯張ってある。予定通り三伏小屋に到着。あと二時間の行程。ビールを仕入れザックを担ぐ。木組みの階段や梯子を下りて行く。途中の水場でポリタンを満タンにする。登山口手前で後ろから特急電車のように歩荷のおじさんが長靴で走り抜けて行く。凄いと感心する。二年越しの長い長い山行が後少しで終わる。鳥倉登山口バス停に予定時間通り到着する。テントを張りビールで乾杯し晩餐会が始まる。かなりハードな山行でしたが終わってみれば良かった事しか思い出せないのは何故だろうか?ゆっくりと身体も頭もクールダウンして行きます。持参のワインや焼酎も進み宴会は進んでいく。夕食のカレーは絶品!であった。ただ三人共、夜なか中藪蚊に悩まされたのです。

 

8/14 晴 

 夜半からテントを叩いていた雨も朝には止み回復している。朝食を済ましテント撤収。登山者がドンドン下りて来る。9:10発のバスに乗りデポ地のJR伊那大島下車。松川インター近くの温泉に入浴。ソースかつ丼を食べ帰路に着く。二年越しの長い行程であったが天気にも恵まれ最高の山行でした。同行のS・TさんY・Oさんお疲れ様でした。
来年も楽しくロングトレイル挑戦しましょう!

T・N

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