南アルプス 荒川三山

日   程: 2015年7月31日(金)夜~8月3日(月)
参 加 者: Y森(CL)、N野、M田、Y田ち(一般)、K川き(SL 記録)
コースタイム

■8/1(土)晴れのち曇り、遠くで雷 距離10K 累積標高差登り1,550m
9:15椹島(1,140m)→9:30滝見橋→10:50岩頭見晴し(1,360m)→11:07林道(1,440m)→11:40小石下 (1,586.4m)→13:05清水平(1,840m)13:20→14:07蕨段(2,060m)→14:20見晴台(2,120m)14:30→15:45駒鳥池(2,410m)14:55→16:40千枚小屋(2,600m)着

 ■8/2(日)快晴のち曇り 距離15K 累積標高差登り1,400m
 5:20千枚小屋→6:08千枚岳(2,879.8m)6:18→7:20丸山(3,032m)3:30 → 8:03東岳(悪沢岳3,141m)8:26→ 9:25中岳避難小屋で休憩 (3,085m) 9:40 → 9:45中岳(3.083.2m)9:47→9:50前岳分岐(3,060m)→10:00前岳 (3,068m)→10:05前岳分岐10:18→11:20荒川小屋(2,645m) 11:50→ 12:22大聖寺平(2,720m) 12:28→ 13:22小赤石岳の肩 (3,030m)13:30→13:42小赤石岳(3,081m13:45→13:56赤石岳分岐(3,050m)14:05→14:20赤石岳(3,120.1m)14:30→14:40赤石岳分岐14:05→16:20富士見平16:33→17:00荒川小屋(2,550m)着

 ■8/3(月)晴れ  距離5K 累積標高差登り50m
  5:35赤石小屋(2,550m)→8:20椹島(1,140m)→10:30のバスに乗る

 

荒川三山ルート図
荒川三山ルート図

記   録
 今回、何度も雨天、台風などで中止になっていた荒川三山行をやっと5年越しに決行。千枚岳から左回りのコースで縦走。メンバーは、この夏、3週連続、2週連続、飛び石で2週連続で北アルプス、八ヶ岳などの山行をしたと言うツワモノ山友会山姥部、4名とそのお友達の若いメンバー1名。


7/31(金) 
 19:20大津発~畑薙弟一ダム駐車場25:40着。多くの車が停まっている。人気の山域だ。この駐車場まで入って仮眠したほうが便利。翌日8:00のバスにゆっくり乗車できる。(深夜は規制されている時もあり)


8/1(土) 晴れのち曇り 遠くで雷
 8:00東海フォレストバスに乗る。ここからはこのバスを利用しないと各登山口に入ることが出来ない。料金は3000円。その料金はどこかの小屋で使えるシステム。景色のいい山道をくねくね約1時間。りっぱな施設の整った椹島着。この地域一帯は、前東海パルプの創業者、大倉喜八郎氏が1895年に井川村の山林を購入して開発された所だ。南アルプスの開発に大きな貢献をされた方のようだ。千枚岳まで行く樹林帯も綺麗に整備されていた。明治時代に間伐された跡も残っていた。9:15いよいよ出発。
 滝見橋を渡って河沿いに気持ちのいい道を行くが、河を離れた辺りから急な登り。風もなく、南アルプス特有のミズナラ、コシアブラなど広葉樹の樹林帯を行く。大きなテント泊の荷物を持った若者二人。なんとコーヒー豆とミルを持参してるとか。そりゃ重いわ。颯爽とした女性の2人組。神奈川県の労山に加入してるとか。一緒ですね。。。しかし彼女たちは若いからしゅっと追い越していく。なんか自立していてかっこいいじゃん。しかし小屋泊まりにしては大きな荷物。後で分かったことだが、南アルプスの小屋に泊まるときは、シェラフを持参するのがいいとか。料金も500円安くなり、清潔とのこと。なるほどね。岩頭の見晴ではど~んと構えた聖岳が見える。小石下あたりは、ナナカマド、シラビソ、オオシラビソなどの緩やかな針葉樹の森が続く。丁寧な道標も整備されている。が、暑い暑い。湧水も涼やかな清水平に13:05やっと到着。しかし、遠くで雷が聞こえる。わぁ、やばいぞ。近づいてくるな。暑かった体を沢の水で冷やして、気持ちいい。そして水もごくごく。ああーうまい。生き返った。でも行程はまだまだ残っている。14:20見晴らし台から、見えるぞ、明日行く赤石岳が。木馬道(明治時代に使用されていた)に沿って歩く。15:40駒鳥池。夏鳥として南アルプスに渡来。オレンジ色の姿はあまり見ることが出来ないが「ヒーンカラカラ」と言う馬の嘶きに似た鳴き声ですぐ分かるのだとか。でも私たちはお出合いしませんでした。そしてとうとう、満開の黄色のマルハタケブキ、トリカブト、シシウドと花に囲まれた千枚小屋に到着!小屋からは富士山、笊ヶ岳、布引岳が見える。数年前に焼けて新しくなった千枚小屋。遅く到着したから、私たちは別館へ。これが、又、ちょっと登らないといけないのが最後に辛い。ここの食事が有名だとか。確かに多分女性の献立と思われる何種類もの丁寧なオカズ、野菜中心。美味しかった。


8/1 椹島を9:15に出発。
8/1 椹島を9:15に出発。
赤石岳にガスがかかり始め、遠くに雷の音もして先を急ぐ
赤石岳にガスがかかり始め、遠くに雷の音もして先を急ぐ

駒鳥池で一休みして、ハイ、ポーズ
駒鳥池で一休みして、ハイ、ポーズ
千枚小屋前のマルバタケブキの群落
千枚小屋前のマルバタケブキの群落


8/2(日) 快晴のち曇り 
 小屋の正面から見ることが出来る富士山の左横からのご来光。いいですね。やはり綺麗。今日が今回のハイライト。昨日、赤石岳から縦走してきたという女子、「千枚岳からの下りや、小石や岩が多い危険な道があるので気をつけて行ってください。多分左回りからの方が厳しい道だと思います」という助言を受けていた。そうか危険か。気を引き締めていかないと。さぁ行くぞ。5:15出発。千枚岳までにもう沢山の花のお出迎え。南アルプスに多いカタネビランジ、タカネツメクサ、マツムシソウなどなど。千枚岳からは北アルプスも、富士山も見えるパノラマ展望が。薄い雲の層が何層も重なってペインズグレイ、セピア、群青色、薄紫、などの10種類ぐらいの色の縞模様の富士山を見ながら歩く。この場所、この時間、この時期しか多分見ることが出来ない初めてみる富士山の幽玄な立ち姿。凛として。今回、この富士山を見ることが出来た事は、一層思い出に残る素晴らしい事だった。さてこれから長い長い3000mを超える山々の縦走が始まる。丸山まで前方に東岳などを望み、足下には綺麗な花々、絵に描いたような、描きたいような稜線歩きが続く。気持ちいいなぁ。東岳(悪沢岳)到着。なんで悪沢なんて言うのかな。綺麗な山なのに。京都の西京高校駅伝部のTシャツを着た単独のテント泊荷物の若者に出合う。大学3回生だとか。大学ではワンゲル部に入っていて今回は単独で7泊で聖岳方面まで行って南アルプスを縦走するのだとか。爽やかで、清く正しく、優秀な大学生。又、愛知の時習館高校(ちなみに調べたら、偏差値高かった)の部活動のグループとも出会う。若い人の山登り。こちらまで爽やかな気持ちになる。東岳からは岩場の急な下り。これが昨日の女子の助言の下りかな。中岳、前岳と稜線歩き。前岳から荒川岳の間は、天空のお花畑が出現。

早朝の千枚小屋から笊ヶ岳(左)、布引岳(右)
早朝の千枚小屋から笊ヶ岳(左)、布引岳(右)
千枚小屋の早朝の富士山 縞模様がいいね
千枚小屋の早朝の富士山 縞模様がいいね

朝日に照らされ千枚小屋を5:20出発
朝日に照らされ千枚小屋を5:20出発
まずは、千枚岳(2,879.8m)で悪沢岳(東岳)をバックに
まずは、千枚岳(2,879.8m)で悪沢岳(東岳)をバックに

千枚岳からの下り。岩が多ので注意して下る
千枚岳からの下り。岩が多ので注意して下る
丸山(3,032m)山頂にて
丸山(3,032m)山頂にて

やっと来た~東岳(悪沢岳)3,141m山頂にて
やっと来た~東岳(悪沢岳)3,141m山頂にて
左、小赤石岳&赤石岳。 右、中岳、前岳
左、小赤石岳&赤石岳。 右、中岳、前岳

この景色、全部、私のもの  N野さん
この景色、全部、私のもの  N野さん
中岳(3,083.2m)にて、けっこうな日差しです
中岳(3,083.2m)にて、けっこうな日差しです

前岳 (3,068m)にて中岳と(右)東岳(悪沢岳)をバックに
前岳 (3,068m)にて中岳と(右)東岳(悪沢岳)をバックに
やっと荒川小屋と赤石岳が見えてきました
やっと荒川小屋と赤石岳が見えてきました


【今回出合った花達】
ミネウスユキソウ、タカネヤハズハハコ、ウサギギク、マルバタケブキ、タカネコウリンカ、カニコウモリ、タカネヨモギ、タカネヒゴダイ、クロトウヒレン、ミヤマコウゾリナ、タカネニガナ、ミヤマタンポポ、チシマギキョウ、タカネマツムシソウ、ミヤマコゴメグサ、ヨツバシオガマ、タカネシオガマ、エゾシオガマ、ミソガワソウ、イブキジャコウソウ、オヤマリンドウ、トウヤクリンドウ、キバナシャクナゲ、ミヤマホツツジ、アオノツガザクラ、ウラシマツツジ(未)、コケモモ、クロマメノキ(未)、コイワカガミ、ゴゼンタチバナ、ミヤマシシウド、ハクサンボウフウ、ミヤマアカバナ、オトギリソウ、ハクサンフウロ、タカネグンナイフウロ、イワオオギ、ミヤマキンバイ、ミヤマダイコンソウ、チングルマ、ウラジロナナカマド、シコタンソウ、ウメバチソウ、ミヤママンネングサ、イワベンケイ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマカラマツ、ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、ミヤマトリカブト、イワツメグサ、タカネツメクサ、タカネナデシコ、タカネビランジ、イブキトラノオ、ムカゴトラノオ、ハクサンチドリ、テガタチドリ、バイケイソウ、コオニユリ、クロユリ、フシグロセンノウ、ミヤマアキノキリンソウ、ノリウツギ、ヤマアジサイ、ヨツバヒヨドリ、クルマバソウ、セリバシオガマ、イチヤクソウ

(Y森さん提供)

カタネビランジ
カタネビランジ
タカネマツムシソウ
タカネマツムシソウ

クロユリ
クロユリ
荒川前岳~荒川小屋間のお花畑
荒川前岳~荒川小屋間のお花畑

タカネナデシコ
タカネナデシコ
ミヤママンネングサ
ミヤママンネングサ

 それにしてもまぁ、凄い花達です。そしてそれを記録したY森さんも凄いですね。でも本当に綺麗なお花畑と真っ青な高い空。夏山の醍醐味タップリを味わう事が出来た稜線。しかし今日も暑い暑い。やっと辿り着いた荒川小屋でなんと「宇治金時」500円。美味しい、安い。火照った体を冷ましてくれた。荒川小屋~赤石岳に向かってまたまた、赤石岳を前方に見る綺麗な稜線歩きが続く。分岐に荷物を置いて、赤石岳往復。やっと会えたね。そして約10年前に初めてテント泊した聖岳が見える。10年の歳月。。しかし、ここからが長い長い。赤石小屋までの長い道のり。急な下り。片方が切り立った山道。疲れている体には堪える道のりだ。小屋まで約2時間。長かった。赤石小屋も綺麗な小屋だった。水は少なかった。そしてやっぱりビールで乾杯しなきゃ。今回は飲める女子が4人いて良かった。

荒川小屋の「宇治金時」で涼みます。生き返る~。
荒川小屋の「宇治金時」で涼みます。生き返る~。
14:20 赤石岳(3,120.1m)山頂です
14:20 赤石岳(3,120.1m)山頂です


8/3(月) 曇り 
 後は下るだけ。しかし、この下りも中々厳しい。これを登りに使う右回りの縦走の方が多分厳しいように思う。今回のコースが正解だ。8:15には椹島着。やっぱりビールで乾杯して、ゆっくり白簱史朗写真館を見物して10:30のバスに乗る。そしておまけに帰りに大井川鉄道でトーマス電車との並走。最後にも大きなお土産が出来たなんとも強運続きの荒川三山縦走でした。楽しかった。執念で荒川三山縦走を5年ぶりに制覇したリーダーのY森さん、いつもながらいろいろありがとうございました。そして、その他の山姥の皆様、ありがとうございました。


8/3 最終日、下山を前に赤石小屋で記念撮影
8/3 最終日、下山を前に赤石小屋で記念撮影
赤石小屋裏の展望所から赤石岳
赤石小屋裏の展望所から赤石岳

8:20 椹島に下山。疲れた~。
8:20 椹島に下山。疲れた~。
大井川近くでトーマス電車と並走。人気ものです
大井川近くでトーマス電車と並走。人気ものです

(記録:K川き  写真:Y森・M田)