北アルプス 鹿島槍ヶ岳・天狗尾根

日   程: 2015年5月4日(月)夕方発~7日(木)
参 加 者: A(CL、車、装備、記録)、O(食糧)
コースタイム

5月4日 (月) 17:00道の駅「竜王かがみの里」―大谷原23:00
5月5日 (火) 
5:00大谷原~7:40天狗尾根取付き~1600m付近~第一クーロワール~第二クーロワール~天狗の鼻17:00(テント泊)
5月6日(水) 天狗の鼻5:30~最低コル7:30~鹿島槍北峰11:00~南峰12:00~布引山13:00~冷池山荘14:00(テント泊)

5月7日(木) 4:30冷池山荘~6:30西俣出合~7:30大谷原―13:00道の駅「竜王かがみの里」


記   録

5/3(日)
 田植えをしている時にOさんからメールが。「4日が天気が悪そうですがどうしますか?」。考えた結果、日程を1日遅らせて5日~6日で行く事に。


5/4(月)
 17時に道の駅「竜王かがみの里」に集合。竜王ICから乗るはずが、GWの渋滞がありそうで、蒲生スマートインターに変更。ほどなくして高速には乗ったが、彦根辺りから渋滞。2時間を超えてもまだ一宮付近までしか行けていない。結局6時間かかって鹿島槍の登山口、大谷原Pに到着。ビール1杯飲んでから車中泊。


5/5(火)
 5時に沢靴を履いて出発。林道をしばらく歩いてから、大川沢の渡渉があるからだ。(何度も登山靴から沢靴に履き替えるのは時間のロスだ。)堰堤を左岸にわたり、まず最初の渡渉は膝下ぐらいの深さ。流れも予想通りで1人ずつ渡る。しばらく進むと2回目の渡渉。先ほどよりは深く、流れも速い。Oさんと並んで、互いのザックをつかみスクラムを組んで突破。だんだんと沢幅が狭くなり、やがて取水所が出てきた。一度左岸に渡り、へつりながら進んだが、流れが急になり深く、とてもではないが渡れる次元ではない。最後に写真を撮って諦めて引き返そうかと思っていた時、先ほど渡った取水所の水の落ち口ギリギリを渡れる事を発見。滑らないように慎重にザイル確保で渡る。「うまくいった!」。さらに雪の斜面を沢靴でトラバースしてしばらく行くとようやく荒沢の出合に着いた。しかし荒沢も雪がなく完全な沢登り状態。股下まで濡れながら200m上流に行くと尾根の取付き点があった。休憩の後、沢靴から登山靴に履き替え、急登をゆっくりと登って行く。予定通り天狗尾根に登っている事をTさんの留守電に入れる。天気は良く雲一つない。1600m付近から雪が出てきた。アイゼンを付け順調に高度を稼ぐ。しかし、突然雪がなくなったかと思えば藪漕ぎの始まり。急登の藪漕ぎの中、大井さんはザックに付けたストックが何度も枝に引っ掛かりながら苦労している。第一クーロワールは本来は雪がぎっしり詰まった雪斜面をダブルアックスで越えて行く醍醐味があるが、雪は全くなく、草付きのガレ場を登るのみだ。その先も藪と岩の交互のリッジを過ぎると、第二クーロワール。こちらもむなしいガレ場登りとなる。終了点の大きな木には残置シュリンゲがかけてあった。見るに高さ4m以上はある高さ。厳冬期にはそれぐらい雪がある証拠だろう。楽しみにしていたクーロワール登りがなくなった後も、藪漕ぎ、岩、そして一番苦労したのが、雪面を末端からよじ登る行為である。一跨ぎで上がれれば何の問題もないが、高すぎて一跨ぎで登れない箇所はザイルを付けて、雪の末端の崩落や、滑落の危険を考えながらの登りとなる。最後の登りもそんな苦労と時間を使い這い上がり、割れ目がたくさんある雪面にスノーバーを1本打ち込み安全確保で登る。17時にようやく天狗の鼻に到着。すぐさまテントを設営する。、愕然としたのは明日行く天狗尾根上に雪が続いておらず、藪や岩が見えている。一抹の不安がよぎる。


5/6(水)
 5時30分に出発。少し進んだところからもう雪がない。前方は大きなギャップとなっているので仕方なく荒沢側を少し下り、雪斜面をトラバースして、シュルンドを越え、また雪斜面を登り、岩尾根に上がるといった具合に進む。2つあったギャップを越えるのに2時間弱かかったと思う。いきなり疲れた。その上部もハイマツと雪の境目を歩いたり、シュルンド、尾根最上部付近では3級ほどの岩稜帯となった。何ピッチかあったが、時間短縮の為、1ピッチトラバース気味に登る箇所を除きノーザイルで越える。岩稜帯が過ぎ東尾根との合流点を越えさらに雪面~ハイマツと歩きにくい中を進み鹿島槍北峰に到着。ほとんど動かず写真を撮り、休憩後南峰に向け出発。見た範囲では夏道が続いている。アイゼンを外して歩けたので楽になった。布引山を越え時刻は13時過ぎ。この先冷池山荘を越え赤岩尾根から下山だが、この状況なら赤岩尾根の雪はないか、若しくはあってもズタズタで下りにくいであろう予想と、2人の疲労度も加味して、冷池山荘前でもう1晩テント泊する事を決めた。電波がつながる内にTさんに連絡。冷池山荘に着くと受付に張ってある料金表とにらめっこ。限られた所持金の中、水も食料もガスもなかったがまず最初にビールを購入した事に後悔なし(笑)テント場には誰もいなかった。


5/7(木)
 なるべく早い時間に帰宅したかったので4時30分に出発。冷乗越からはトラバースとなるが、やはり雪なし。赤岩尾根を標高100mほど下ったあたりから西沢の下り口に突き当たり、そこからはずっと沢を下って行った。最初の急傾斜は後ろ向きにダブルアックスで、しばらく行き慣れてくると前向きでどんどん下る。約2時間で西俣出合に到着。そこからさらに1時間で大谷原まで歩いた。帰りはOさんの仕事に間に合うように温泉には入らず一目散で帰った。
 2001年4月中旬以来の鹿島槍・天狗尾根であったが、その様子は全く違った。4月中旬と5月GWの違いはあるが、今回は残雪量が全然違う。ここまで雪がなかったらGWに行くのは困難になる。偵察を兼ねていた鹿島槍北壁にも雪がなく、参考にはならなかった。


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