北岳バットレス 第四尾根

日   程: 2014年9月12日(金)夜発~15日(月)

参 加 者: K坂(L)、O井

記   録

13日・朝一番の乗り合いタクシーに乗るための努力惜しまず睡眠ほとんど無しであったが、ラッキーで7時前に広河原着。白根御池テンバも余裕の9時着で、最高のテンバをゲット!。テント設営後、下見か本番か?思案しながら本番以上の装備を背負い、bガリー大滝取り付きの偵察に出かける。2時間半かけてbガリー大滝に着くと1パーティー登攀中、で私達の後続パーティーもビバーク覚悟で今から登るとのこと。私達もあと1時間早ければ本番突入予定であるが、時刻は既に13時でガスもかかってきた。ここまで来た道のりを引き返しこの重い装備を持ってさて明朝?何時間後に出発か~、もうここでビバークしようかとさえ思うが、快適なテンバと生ビールに惹かれもどることにする。途中、バットレス下見のパーティー何組もとすれ違い、明朝の大渋滞に恐れおののく。15時に戻り、装備の点検&軽量化を図り明日は3時前出発と決定。周りはうるさかったが19時には就寝。
14日・どん兵衛うどん半玉ずつを食べ、2時45分出発。近くのバットレステント組は出発していないようで、でも後ろから来るヘッドランプは皆さんバットレスのような気がして、抜かされたくない一心で歩く。下見のおかげで4時45分bガリー大滝取り付きに到着であったが、既に5番目。ツェルトを被り先頭は2時間近くも待機しているとの事。うっすら明るくなり、山並みを朝日が染め始めた頃、一番パーティー登攀開始。私達もロープをさばき、出来るだけロスタイムないように準備を進めるが、早くも渋滞でこの先が思いやられる。2Pでbガリー大滝を終了したが、はい松帯で先行く私が焦ってルートミス。何とかcガリーを横断して、第4尾根下部支稜でdガリーからの登攀者と合流。3パーティ待ちでどうも時間がかかりそうなので、第4尾根取り付きの最短ルートを選ぶ。後続Pのリーダーと出会い、他のメンバーがまだ来ないからと先を譲っていただき、そこから2Pは念のため確保で登った。第4尾根テラスは奇跡的に誰も居ない!香坂Lは休む間無く、一つ目核心突入。すんなり登るので、私は焦り後続Pに、~私は下手なんですいません~、と謝り登り始めたが先日からの練習の成果か案外行けてホッとである。が、途中苦手なホールド少ない壁で苦戦。しかし、香坂Lに教わった秘策を思いだし何とか突破。マッチ箱の懸垂は良いアクセントとなり楽しい。前が渋滞であったが、後続Pリーダーが強者で追い上げてくる。枯れ木のテラスは全くテラスではなく、枯れ木の足場である。大崩落した岩壁を見る余裕なく、薄い所は厚さ5ミリ?程の岩を掴みトラバース。ホッともつかの間で城塞ハング。ここも香坂L休む間無く、フリーで突破。私は、ヌンチャクを回収するだけで精一杯!自分でかけたシュリンゲは後続Pに謝って回収していただいた。やっと抜けると終了であったが、無我夢中で登ってきたため、一体何時か時間の感覚がない。えーっ、お昼前やん!と、嬉しさ更に込み上げて、涙目になる。後続P若者にシュリンゲいただき、感謝である。後続Pリーダー曰く、崩壊前よりかなりグレードUPとの事。香坂Lも、チンネより登攀はずっと難しかったと~。
北岳登頂は二年前の1月以来で、その時長居出来なかったぶん、ゆっくりしてテンバに帰った。
テンバ着は15時で、バッドレス組はほとんど帰ってない様子。小屋横大椅子で香坂さん持参のビールで乾杯、夕食のちらし寿司を二人前作るがどうも残ってしまいそうなのでどうしたものかと辺りを見回すと、カップ麺と生ビールで食事中の男性が目に留まり、~もしよろしかったらいかがですか~と錦糸玉子&紅しょうが&刻み海苔で一見美味しそうな?ちらし寿司を差し出して、食べていただき会話弾み北岳バッドレスの話になったところで、その男性のお連れの男女ペアがいらっしゃった。バッドレスから今帰ってきたとの事。テンバを2時半に出たが、bガリー大滝取り付きまで迷い4時間近くかかって私達の後ろの後ろにいたとの事。第4尾根大テラスは登攀待ちでごった返し、多分今日中に帰れないビバーク組が多数出ているだろう事。フリーのクライマーである彼女がトップで全て登った事を聞き、大変刺激を受けた。来年はチンネをやるとおっしゃる女性に香坂さんと二人声を揃えて、チンネは大丈夫ですよ~と話し、お互いの労を労って笑顔でわかれた。20時頃、・・・山岳会と書いたテントがざわつき、会話の内容から途中撤退したらしい。また、近くのバッドレステントも帰って来ない。天気が良いから大丈夫だろうけど、と思いながら夢の中へ。
15日・4時起床で6時にテンバ出発前に、昨日私達の後続Pが下山して行くのを見かけてお礼を言う。8時30分広河原発のバスを目標にしていたが、8時に着で乗り合いタクシーに乗れた。9時前に芦安Pだったので、仕方なくBTで温泉&食事。その後、南アルプス山岳館へ行き、帰路についた。他の登山者が考えるより30分早く行動する事で、快適かつ安全な山行になるような気がした。バリエーションでは前後Pとのコミュニケーションも大切かもしれない。クライミングは練習すればそれだけ楽しめて上達できるので、ケガしないように頑張っていこうと思う。


bガリー取付
bガリー取付
第4尾根取付
第4尾根取付

マッチ箱懸垂
マッチ箱懸垂
ハイライトへの登りを前に
ハイライトへの登りを前に

大崩壊して小さくなった枯木のテラスと核心部の登攀
大崩壊して小さくなった枯木のテラスと核心部の登攀
枯木のテラスより見た後続者
枯木のテラスより見た後続者

わずかなホールドを掴んでのトラバース
わずかなホールドを掴んでのトラバース
登攀終了で満足顔のKリーダー
登攀終了で満足顔のKリーダー

3年前1月以来の北岳山頂
3年前1月以来の北岳山頂