北アルプス 岳沢BC・コブ尾根 標高3100m 風雪のビバーク

日   程: 2014年5月4日(日)~6日(火)

参 加 者: A(リーダー、車、装備)、K、O(食坦)

コースタイム: 

5/4 晴れ 5:00「かがみの里」-アカンダナP10:00頃-上高地BT-岳沢BC14:00頃

5/5 風雪 BC4:45~マイナーピーク~コブの頭11:30~コブ尾根の頭14:30~3100m付近ビバーク

5/6 晴れ ビバーク5:15~天狗のコル6:50~岳沢BC7:45-11:00~13:30頃?上高地BT-「かがみの里」21:00

 

記   録

5/4

 5:00に竜王 道の駅「かがみの里」に集合。途中行動食を購入したり、休憩しながらゆっくりとアカンダナPを目指す。上高地から岳沢への途中、西穂高沢から降りてくる人影が。彷徨倶楽部の5人組だろう。14:00頃岳沢到着。テント設営後、ビールを3本飲み終えた頃に彷徨倶楽部のAさん達が着いた。夕食は彷徨倶楽部のテントに入り、にぎやかに過ごす。

 

5/5

 天気が悪い事は小屋のスタッフや「ヤマテン」で確認済み。しかし行動可能と判断。
コブ沢を登り始め20分ぐらいでもう雪が降ってきた。結構な急傾斜である。視界も悪く沢の上部辺りは見えるが、その先のコブや主尾根はまったく見えず。沢を詰め終わりマイナーピークの懸垂下降へと移る。支点がなくスノーボラードを使い懸垂下降。またしばらくルンゼを詰め、コブの岩稜帯に突入。1ピッチ目はKさんが豪快に突破。2ピッチ目は私が行くが、真ん中辺りでホールドがない岩が現れた。こんな事もあろうかと持参していたフレンズを1つセット。そこへスリングを架けアブミ代わりに使い越えた。続くOさんはすぐには越えられず、後続のKさんに先に登ってもらい、Oさんはすぐ横の岩からなんとか力任せで登る事が出来た。コブの岩稜帯を抜けたと思ったら、今度は20mぐらいの支点の取れない雪稜のトラバース。扇沢側は雪庇もあり緊張する。その後、コブの頭からの懸垂下降に入る。捨てスリングを設置し、悪天の為、下までザイルが届いているか見えないので、クレイムハイストでブレーキしながら下降する。着地点は扇沢側もコブ沢側も切れ落ちていて危険だ。3人共無事懸垂下降を終え、休憩もせずさらにダブルアックスで雪壁を登って行く。意外と長く雪壁登りが続いたが、雪壁登り大好きな私には天国。14:30頃、コブ尾根の頭(3140m)に到着。晴天ならすぐ横にジャンダルムが見えるはずだが、視界はほとんどない。登り初めからの風雪で稜線のトレースも消えていて、コンパスで方向確認する事に。新雪は20cmぐらいであろうか?とりあえず落ち着く為、ツエルトを被り小休止。その後、岩稜帯を下って行く事になるが、風雪で視界が悪く、一、二度ルートを探し登り下りしたが、はっきりとしたルートが分からず、16:15頃ビバークを決定。コブ尾根の頭からはまだ少ししか下っていない。Kさんが見つけてくれた吹き溜まりを掘り下げ、ツエルトを張って、ビバークシートを被り一晩明かす事に。Oさん「なんか酸欠なってない?息苦しい!」A「ビバークシートが顔まで被さってます」Oさん「あつ、それでか。大丈夫になった。」と。寒がってはいたが声は元気なので大丈夫そうだ。テルモスのお湯はすでになかったが特に問題はなかった。


5/6

 夜が明け、天気は良い。今日も視界不良ならどうしようかと心配していたが、これで天狗のコルに向けて下りられる。コルまでは素直に岩稜帯を下るだけではなく、ルンゼを下ったり、岩場を巻いたりと、やはり視界が悪ければ相当なアルバイトを強いられた事であろう。6:50頃天狗のコル到着。7:45に岳沢のテントに着いた。昨日はほぼ何も食べずだったので、昨晩食べ損ねた食事を食べた後、上高地まで下った。

 

コブ沢の登り
コブ沢の登り
マイナーピークからはスノーボラードを使い懸垂下降した
マイナーピークからはスノーボラードを使い懸垂下降した

コブの上部は足先も出るほどの細い尾根
コブの上部は足先も出るほどの細い尾根
こんな細尾根の連続です
こんな細尾根の連続です

風雪の為、手もかじかみスリングも凍る
風雪の為、手もかじかみスリングも凍る
右手奥がコブ尾根、その手前が畳岩尾根、その横が天狗沢
右手奥がコブ尾根、その手前が畳岩尾根、その横が天狗沢