奥穂高岳南稜

1912年8月、ウォルター・ウエストンと上条嘉門次によって初登されたクラシックなバリエーションルート

日   程: 2013年10月12日(土)~14日(月)

参 加 者: AY(CL)、KT、OT

コースタイム

10月12日 5:00かがみの里―平湯温泉―10:40上高地~12:50岳沢

10月13日 5:20岳沢~6:00南稜取付き~9:30トリコニー~12:20懸垂~13:00吊り尾根~13:10奥穂山頂~16:40岳沢

10月14日 7:30岳沢~10:00上高地―平湯温泉―高山市内―17:00かがみの里

 

記   録:

10月12日

上高地に10時20分ごろ到着。パッキング、トイレの後、岳沢へ向け出発。約2時間で着いた。テントを設営後、明日向かう南稜の取り付きを確認しに行く。

当初、9月に予定していた南稜だが雪渓の状態が悪く、10月のこの日に変更した経緯がある。どんな状態か気になっていた。

KTさんが雪渓の先端まで見に行ったが、数m切れていて南稜取り付きには渡れない。下も10数m落ちている。少し雪渓を下りシュルンドの小さい箇所を渡る。ガレた斜面をトラバース気味に上がり南稜に取り付く。心配していた取り付きもすんなり行ける事が分かりテントへ戻る事に。

それにしても気温が下がってきた。これまでの暖かい山が今日で終わり、冬型の気圧配置になると言う事らしい。夜、寝る前に外を見ると雪が降ってきた。寒いはずだ。

 

南稜取付きの下見。雪渓はかなり少なくなっていた。
南稜取付きの下見。雪渓はかなり少なくなっていた。

 

10月13日

3時に起床。5時過ぎに出発。奥穂高岳の稜線から2200m付近にかけて雪が付いている。今期初冠雪だ。南稜取り付き付近で明るくなってきた。下見の成果で順調に進んで行く。しばらく登ると1ピッチスタカットで抜ける。さらにルンゼを登るとスラブ帯にぶつかる。途中ハーケンも打ってあり登れそうではあるが、雪が付いていて少しいやらしい。右手のハイマツだらけの尾根に出る事にした。

尾根に上がるとすぐに岩稜帯が前を塞ぐ。尾根通しに登りたかったので、滝沢側に切れ落ちて高度感のある1ピッチ目をKTさんリードで、2ピッチ目をAYがリード。ニードル状の岩を登って行くが、少々バランスが必要。ハーケン1枚とフレンズをかましゆっくり登っていく。OTさん、KTさんが続く。

トリコニーまで来て小休止。先は特徴のあるチムニーが待っている。チムニーは外からは一見登りにくそうだが、実際は中に入り右手の階段状になった岩を登ると簡単。でもその後、大股開きで隣の岩に移る箇所があり脚の短い人は要注意(笑)。

岩を渡った後、さらにスタカットで1ピッチ登る。ここも少しバランスが必要だったが、登り着いた後すぐに2~3m下らなければならず、ザイルにテンションかけながらの下りの方が難だった。緊張した岩場の後、振り返ると超えて来たトリコニー1峰、2峰が見える。3峰はすぐ横を通り過ぎる事になる。稜線は見えてきたが、出るにはさらに2時間ぐらいかかる事になる。

後は歩くだけで稜線に出るつもりが、1箇所懸垂下降があった。時間もあるし良いアクセントになった。13時ちょうどに分岐の道標が立つ吊り尾根に出た。奥穂高山頂までは10分で到着。天気も最高に良く、たくさんの登山者が写真待ちで大渋滞。それを横目に遠くから3人で記念写真。3時間かけて吊尾根、重太郎新道を通り、岳沢のテントまで帰った。

 

ルンゼを詰めた先のスラブ帯
ルンゼを詰めた先のスラブ帯
スラブ帯から右の尾根に入るとすぐに3級程度の岩場が
スラブ帯から右の尾根に入るとすぐに3級程度の岩場が

チムニーに入り込み、右へ回り込むと階段状になっていて、そこから隣の岩へ大股開きで超える
チムニーに入り込み、右へ回り込むと階段状になっていて、そこから隣の岩へ大股開きで超える
岩稜帯が続く
岩稜帯が続く

トリコニーを超えていく
トリコニーを超えていく

 

10月14日

予定していたコブ尾根は、コースタイム、下山時刻を考えて、リーダーの判断で中止とした。メンバーには申し訳ない。その分、上高地ではゆっくりと写真を撮ったり、温泉にもゆっくり入り、高山市内に寄り道してのんびり帰った。

(AY)