朽木・トチ巨木林見学会

滋賀山友会・熊森滋賀県支部(共催)

 

実 施 日: 2013年 7月 6日(土)

天   気: 曇り

参 加 者: 17人

コースタイム: 9:00県立朽木いきものふれあいの里 9:30→観察道入口10:30

~(J谷観察道)~13:00尾根(昼食)13:30~(Y谷観察道)~観察道出口15:20

→16:00いきものふれあいの里(解散)

 

記   録

 数年前の木材業者による朽木のトチ巨木大量伐採をきっかけに始まったトチノキの調査活動は4年目に入り、朽木に限って言えば、あるだろうと考えられるトチ巨木のほぼ2/3にNo.が打たれ、木の大きさや枝ぶり、周辺の環境、着生している植物の名前などが調査表に記録された。巨木が集まるいくつかの谷には、地元の人たちの手で自然を壊さない範囲で歩きやすい散策道がつけられ、小学生からお年寄りまで安全にトチの木のすぐそばまで近づいて観察することが可能になった。

 今回の見学会のガイドをお願いしたのは、トチ巨木の保全活動をすすめる「巨木と水源の郷を守る会」の代表で県立朽木いきものふれあいの里の館長でもある青木繁さん。青木先生の豊かな知識は、広範囲にわたり尽きることがない。この花は何? あの魚は食べられる? 泡を吹いている木があるが? ユズリハの葉柄の白いものと赤いものがあるのはなぜ?・・飛び交うみんなの質問に手当たり次第に答えながら、かつ要所要所でいろいろな説明が続く。

面白かったのは、

●鹿が竹林を枯らしていく話(各地で竹林の拡大とその荒廃が問題になっているが、鹿の多い地域ではその心配が少ない?竹の寿命はそんなに長くなく、筍は鹿の食料になり全部食べられてしまうのでそのうち竹林は無くなる。)

●トチ巨木が山奥に残った訳と相続の話(里に近いいい場所は長男が相続、雑木を切って頑張って植林。山奥は末っ子が相続。都会に出てしまって山の手入れができないままとなり、トチが残った。)

●聖なる木、カツラの話(人の足が踏みつける床板などには使われない。天井板や神社の鳥居の屋根などに用いられる。)

●一科、一目、一種の天涯孤独なフサザクラの話。

●もちろん見学会の主役トチノキの話もたっぷり。一つの円錐花序に500の小花をつけ、そのうち雌雄両性花は150くらい。自然摘花を続け、ほんとにいい花だけが2~10くらい残るようにしてそれが実になる。今の時期、下に落ちている小さな実の数で秋の実りを知ることができる。

…などなど。  

 青木先生に乗せられて(?)ほぼ全員一致で、観察道を離れちょっと危険かもといわれた谷中を登ることになった。OKを出すまで顔をあげないでと言われるままうつむいて登り続け、導かれたのは谷源頭の巨木林・・・足元にうごめくヒルの恐怖も忘れ、思わずほっ~とため息をつきたくなるほどきれいな場所だった。

 

 このところ計画する山行は荒天で中止続き。今回も梅雨のさなか、しかも去年一度流れた企画・・よく懲りもせずと自分でも思うが、この巨木林だけはぜひ一度みんなに見てもらいたかった。調査にかかわって3年。いろいろな谷で巨木を見たが、この谷が一番迫力がありそして美しい。朽木の財産、滋賀県民みんなの宝として残していければいいと思う。ヒルの猛攻にもめげず、嬌声を上げ続けながら暑い中歩いてくださった皆さま、お疲れさまでした。秋の紅葉の頃また歩けるといいですね。

谷を登って行く
谷を登って行く
現れた谷源頭の巨木林
現れた谷源頭の巨木林

パネルを手に青木先生の説明が続く
パネルを手に青木先生の説明が続く

(記録・倉内)

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電話 0740-38-3110  tochinokimatsu@yahoo.co.jp

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