比良縦走 権現山 - 蓬莱山 - 武奈ヶ岳 - 蛇谷ヶ峰

日 時 2013年6月8日(土)

天 候 晴れ(南比良:最高 27.3℃・最低15.1℃)

参加者 S本(CL)、N村、N田(記録)

距 離 27.59km 累積標高(上り)1833m(下り)2063m

コースタイム

4:50平バス停Pに駐車

5:00平-5:28アラキ峠-5:46権現山-6:11ホッケ山-6:29小女郎峠-6:46蓬莱山-7:21打見山-7:35木戸峠-8:06葛川越-8:18烏谷山-8:40荒川峠-8:52南比良峠-9:18金糞峠-10:09中峠-10:35コヤマノ分岐-10:45武奈ヶ岳11:05-11:22細川越-11:39釣瓶岳-11:59イクワタ峠-12:19笹峠-12:30地蔵山-12:32地蔵峠-(迷)-12:54地蔵峠-(迷)-13:19横谷峠-13:40須川峠-14:20蛇谷ヶ峰-14:48P552-15:30くつき温泉てんくう

計 10時間30分

16:15くつき温泉てんくう-(シャトルバス)-16:20学校前バス停

17:00学校前バス停→(出町柳行き京都バス\950)→17:30平

記 録

いつかはと考えていた蛇谷までの縦走の話を、5月末にN村さんからもらった。S本さんも一緒だ。健脚のメンバーお二人とは、そういえば今までのんびりハイキングか宴会でご一緒した記憶しかない。是非!と以前からやりたかった縦走が実現することとなった。

朝3時起き。N村さんに迎えに来ていただき、今日の山以外の話題で車内は盛り上がったままS本さんと合流し、朽木・平バス停4時50分に到着。やはり平の朝はひんやり。半袖の上にウインドーシェルを羽織る。雨も降りそうにないので、私は思い切ってトレランシューズで臨む。他のお二人は登山靴。どちらでも良かったのだが、トレランシューズで長距離を歩ききれるかやってみたかったのもあった。

5時、平バス停を出発。まずは1つ目のピーク「権現山」。びわ湖側からよりも標高が稼げているし距離も短い。山頂まで途中の服調整のみで46分で登ってしまった。標準コースタイムの約4割だ。あっという間とはホントこのこと。山登りを始めた3年前、ここまで登ってランチして下山したのが懐かしい。

疲れるには疲れたが権現山頂からの景色は皆さんご存知のとおり絶景。朝陽が登った直後はなおさらだ。おかげでリフレッシュ出来、ここからはお楽しみの稜線歩きの始まり。

権現山山頂 爽快な稜線歩きの始まり
権現山山頂 爽快な稜線歩きの始まり
朝日が湖面を照らす
朝日が湖面を照らす

N村さん、権現~蓬莱間は初めてだったようで、トレイルから時おり見るびわ湖に何度も「いいね!」を連発。私もこんな朝早くに歩いた経験はなく、ここから見る湖面にキラキラと輝く太陽は「お気に入り」となった。

蓬莱山まで見通しはバツグン
蓬莱山まで見通しはバツグン
ホッケ山の祠に完歩祈願
ホッケ山の祠に完歩祈願

朝の涼しさのおかげか、秋の比良全縦の時よりも苦労なく蓬莱山山頂に到着した。まだ7時前だ。「まだ、先は長いね。ペースを落として行こう」とさっきから言い合って歩いているわりにどうも落ちてないようだ。なので唯一走れそうな蓬莱からのゲレンデものんびりと歩く。

ところが、ここで予想してなかった問題発生!びわ湖バレイがグリーンシーズン用にゲレンデを感電鹿除けネットで囲ってあったのだ。何もなければ簡単に通過できるところを右往左往し、ネットのスキマから入らせていただいた。

観光客も従業員も居ない静かな敷地内を歩き、初めてのN村さんはボルダーではしゃぐ。そして、打見山から木戸峠に向かおうとしたところ、イヤな予感。そういえば、さっきネットの中に入ったのだから今度は出なくてはいけない。見渡したところしっかり囲われている。しかし、こんなところで縦走を終了するわけにはいかない。3人それぞれ脱出ルートを探す。しばし探索の後、1か所通り抜けられそうなスキマを発見できた。感電しないよう恐る恐るクリアする。が、あとから聞くと、S本さんが触れてみたら電気はなんともなかったようだ。

予定外に今までの貯金を使ってしまった。木戸峠まではクリンソウで和む。びわこバレイが育てているものではなく自生しているようだった。

ピーカンの蓬莱山へ
ピーカンの蓬莱山へ
クリンソウが見ごろ
クリンソウが見ごろ

さて、気を取り直して比良岳、葛川越、烏谷山、荒川峠、南比良峠と順調に進む。途中、S本さんに当日新調の登山靴で靴擦れが発生したが、N村さんから靴擦れ防止パッドに助けられる。ちょっとしたトラブルも3人で歩くと、なんなく解決できて素晴らしい。

ルンゼの話をしながら堂満岳を巻いて、金糞峠に到着。峠は日差しがキツイので、少し谷へ下りたところでゲコゲコというカエルの合唱を聞きながら休憩。時刻は9時20分。さすがにこの頃になるとおなかが空く。エネルギー充填タイムだ。

比良岳の森
比良岳の森
烏谷山
烏谷山

金糞峠から武奈ヶ岳のルートは計画段階から当日決めることにしていた。八雲は通ったほうがいいのか?そんな決まりはあるのか、無いのか?八雲 イコール ゲレンデなので、やはり日差しのキツイ今の時期はパス。残るは最短新ルートのコヤマノ岳直登か中峠経由のコヤマノ岳ルート。涼を求めて水の流れるヨキトウゲ谷から中峠に決めた。

このヨキトウゲ谷、何度も歩いているのだが、今日はルートファインディングが必要だった。ひと冬越えると踏み跡や赤テープはどこかへ行ってしまうのか。とにかく沢筋に上流へ詰める。沢は沢でもあまり涼しくない。そのうち、沢とお別れし峠までダラダラ登る道。今までの疲労も少しずつ蓄積しているからなのか、かなり疲れた。さっきも休んだが、ここ中峠でもぷち休憩。

S本(CL)
S本(CL)
N村(計画)
N村(計画)
N田(記録)
N田(記録)

一息いれていよいよ武奈ヶ岳を目指す。コヤマノ岳への登りはサクッと通過し新緑と青空を堪能しながら直下まで。稜線への歩きにくい急登を登りきれば、そこはいつもの武奈ヶ岳。他の登山者も多い。久しぶりにピーカンの山頂。メンバー全員、暗黙の了解で腰をおろす。武奈特有の雰囲気か、もうここで目的は達成できたかのような空気。行程を確認するとちょうど半分だった(ガーン)。せっかくなので、3人一緒に記念撮影してもらい、いざ後半戦へ!

人気ルートの武奈ヶ岳西南陵 
人気ルートの武奈ヶ岳西南陵 
あと少しで山頂
あと少しで山頂

比良山系最高峰 武奈ヶ岳 (1214.4m)
比良山系最高峰 武奈ヶ岳 (1214.4m)

ココから先は私はまったくの未踏。経験者のお二人に先行していただく。武奈を越えてなんとなく重くなった足を前に進め、釣瓶岳、イクワタ峠と順調に歩く。ここで地蔵山の向こうに最後のピーク蛇谷ヶ峰をしっかりと捉えた。右手にリトル比良を見ながらの稜線歩きは心地よい風もあって好印象。

地蔵山の向こうに目指す蛇谷
地蔵山の向こうに目指す蛇谷
リトル比良を見ながら
リトル比良を見ながら

地蔵山(地蔵峠)あたりから植林の中を歩く。作業用の林道が登山道を分断している。そのせいか、ここでルートミス。途中、間違えるような分岐はなかったように思えたのだが、そのまま行くと村井へ下りてしまうことに気付いた。引き返して再び地蔵峠。道標を見ると確かに我々は蛇谷ヶ峰方面へ進んでいた。しかし、この道標でいう「畑」方向へ進むのが蛇谷への正解ルートだった。これでは、村井へ下りてしまった登山者も少なくないだろう。踏み跡、道標だけで山歩きしてはいけない典型。あらためて地図読み・現在地確認が大切と実感。

地蔵峠を過ぎてもう一度迷ってしまった。本来なら地図とコンパスで歩くのが理想ではあるが、帰りのバスの時間もあるのでGPSで現在地を確認しながら先を急ぐことにした。しかし、このあたりの地形はとても入り組んで踏み跡もたくさんあった。おそらく皆迷われた跡だろう。蛇谷が近づくにつれ、踏み跡もしっかりしてきた。この頃には帰りのバスに間に合うのか?間に合うベストルートはどれか?計算しながら歩いた。武奈ヶ岳あたりでは余裕が出てきて、「くつき温泉てんくう」に入るつもりだったのだが(笑)。

問題の地蔵峠道標
問題の地蔵峠道標
迷いやすい地蔵峠~横谷峠
迷いやすい地蔵峠~横谷峠

蛇谷直下で最後の一服を入れ、山頂へ150mの急登を上がる。ピークに着いたと思ったら偽だった。最後はふとももが攣りそうになりながら3人一緒に14時20分、蛇谷ヶ峰山頂に到着した。途中予想していた時刻より1時間早い。着いたという喜びより正直ホッとした。

蛇谷のピークでも天気は最高だった。リトル比良からびわ湖を挟んで伊吹、湖北の山々もしっかり望める。今さらながら蛇谷ヶ峰は初めての私。珍しがられるのをよそに、気にせず感動に浸った。

比良縦走記念 蛇谷ヶ峰にて
比良縦走記念 蛇谷ヶ峰にて
蛇谷山頂から
蛇谷山頂から

ここまでくれば、帰りのバスには十分間に合った。20km以上歩いての蛇谷の階段を下るのは、かなりの重労働だったが、Nさんはちょっとしたラッキーで「温泉てんくう」に入り、男性陣は外でクールダウンしながらコーラで乾杯。シャトルバスと京都バスの学校前バス停での乗り継ぎ時間もアイスを食し、平までバスに揺られココロもオナカもいっぱいで無事、比良縦走が完結した。

(記録 N田)