個人山行 八ヶ岳 硫黄岳~赤岳周回

【日時】  2021年9月25日、26日(日) 晴れのち雨

【メンバー】K口(L)、S口、N西(記録)、その他1名(F澤)

 

 【25日】6:10赤岳山荘―北沢―7:55赤岳鉱泉(テント場)8:55――9:20赤岩の頭―10:30硫黄岳(小休止)10:50―12:00横岳―13:30赤岳山荘―14:10赤岳山頂―15:45行者小屋―16:15赤岳鉱泉(テント場)
【26日】7:10赤岳鉱泉(テント場)―南沢―9:40赤岳山荘

 

【感想】

 北アルプス・常念岳から蝶ヶ岳ルートの予定が、天候の都合で急遽、八ヶ岳に変更になった。八ヶ岳は登ってみたい山の一つだった。赤岳山荘に駐車して、北沢ルートから今宵のテント場である赤岳鉱泉を目指す。沢の水が勢いよく流れ、いくつかの木橋を渡りながら進んでいく。苔むした雰囲気がまるでジブリ映画の「もののけ姫」の世界のよう。木陰の登山道に朝日が差しとても気持ちがよく、風が心地いい。2時間程歩くと色とりどりのテントが見えてきて、赤岳鉱泉に到着。今宵は私たちもここでテントを張る。木のそばで、トイレにも近いいい場所を確保することができた。テントを張って不要な荷物をおろしていざ出発。硫黄岳から、横岳・赤岳を周回するロングコースだが、ザックが軽くなったので頑張れそう!
 沢から尾根に入り、森林の中を九十九折りに登っていくが、結構急な登り坂で息があがる。樹林帯がおわると稜線に出ていっきに視界が開けた。稜線の先を歩いている人がとても小さく見えた。横岳・赤岳・阿弥陀岳などが見え、とても展望がよかった。ただ、K口さんの指さした先の赤岳を見た時には、あんな遠くまで行くのかと一瞬気が遠くなった(^^;) 小石に覆われて広く平坦な硫黄岳山頂には、直径1㎞深さ550mのばっくり口を開けた巨大な爆裂火口跡があり、火山跡が色濃く残っていた。硫黄岳は八ヶ岳の中でも難易度が低いようで、紐に繋がれて小さな子供も登ってきた。
 赤岳への道はなだらかで気持ちのよい稜線歩きの絶景でランナーもいた。稜線上にある横岳は、八ヶ岳では2番目に高い山で、大同心・小同心の岩場を見ながら、鎖場あり梯子場ありのスリルある岩場歩きだった。梯子も1つ目は怖かったが、2つ目以降からは恐怖心はなくなったが、K口さんから、硫黄岳から赤岳へ縦走中に、横岳・三叉峰付近で滑落事故があったことを聞き気持ちが引き締まる。大同心・小同心にはクライマーが小さく見えた。地蔵の頭を過ぎると赤岳天望荘が見え、赤岳に近づいてきた。ロングコースを覚悟していたけれど、気持ちのよい沢沿いから始まって、樹林帯、そして稜線歩き、続いて鎖場と梯子場の岩峰と変化に富んだコースだったので楽しく歩くことができた。赤岳頂上山荘までくると主峰赤岳は目の前。先行く人を見ていると、鎖を使って登っているように見える。いざ登り始めると山頂までは岩場で、鎖場が続くが特に危険な箇所はなくとても登りやすかった。山頂までは40分程だったがあっという間に感じられた。山頂からは八ヶ岳の峰々を見渡すことができた。いい疲労感と充足感を実感しながら、各自ぼーっと岩に腰をおろし雄大な風景を眺めていると、救助ヘリが飛んでくるのが見えた。ヘリは一旦戻って再び引き返してきた。ヘリが飛んでいる辺りは少しガスがかかっていたので、簡単には探せないのだろうか。
 矢印に従って落石に注意しながら文三郎尾根の急な岩場をどんどん下っていく。景色はとてもよい。下ってきた岩場を振り返ると、そのたたずまいはまるで東尋坊のようだ。鎖と梯子があるので怖くはなかった。文三郎尾根から赤岳を目指す人とすれ違うが、こちらから登ると急登できついだろうと思う。岩場からハイマツ帯に入り、次は鉄階段を下りていく。階段にはマムートマンモス🐘がたくさんいた。登山ブランドの「マムートジャパン」が、赤岳鉱泉の登山道整備に協賛しており、階段を提供しているからのようだ。手すり用の鎖があり展望もよく、気持ちのいい下山であった。少し葉が色付き始めていた。砂混じりの滑りやすい小石の多い登山道を下っていくと樹林帯に入り、行者小屋が見えてきた。行者小屋を過ぎると、赤岳鉱泉はすぐだ。苔が活き活きしていて緑色が濃い。苔好きにはたまらない景色だろう。行者小屋から30分程度歩くと赤岳鉱泉テント場に着いた。既にテントを張っているので、すぐに荷物を下ろして休養することができた。夕食は小屋前の木机でゆっくりとることができた。ちなみに、赤岳鉱泉は5月末から10月末までの夏季営業期間はお風呂に入れます!そしてご飯も旅館並みに豪華なようです。たくさん歩いたので熟睡できそう。ダウンとレインウェアを着てシュラフに入ると、寒く感じることなく、すぐに寝ることができた。「おやすみなさい。」
 5:00起床。天気はまだもっている。朝食を食べてテントを畳んで、行者小屋に戻り南沢から下山する。昨日歩いた苔の登山道が本当に気持ちがいい。暫く歩くと、雨が少しあたってきたが、まだレインウェアを着るほどではないが、時間の経過とともに小雨になってきたため、レインウェアを着る。岩場は濡れて滑りやすいため、足元を見つめながら歩くことになる。途中、台風などの大雨による倒木や、流された木々が散乱している箇所もあったが、登山道は歩きやすく、美しい緑の苔がまるで屋久島のようだった。苔好きにはたまらないだろう。晴れていたら私も何枚も写真を撮りたくなる雰囲気だった。そこを通り抜けると渓流の音が聞こえてきて、雨がそんなにきつくないらいうちに駐車場に着くことができた。
 

 なぜ、山に登るのかと思うことがよくありますが、『そこに山があるから。』なんていう理由ではなく、『山に存在する美しさを吸収するため。』でしょうか。今夏、白山、奥穂高岳、八ヶ岳に連れて行っていただいて、今私が思った答えです。(今後、変わるかもしれません。)登山経験の浅い私を連れて行っていただいて、そしていろんなことを教えていただいて、ありがとうございます。