個人山行 花の山旅 秋田駒、焼石岳

【日 時】 2021年7月10日(土)~13日(火) 

【参加者】 T中(CL)、I野(SL)、A隅、K間、S井、I村(比良雪)

【行程】

◆7月10日(土) 6:00米原IC-移動―国見温泉駐車場(テント泊)

◆11日(日) 国見温泉7:06-8:12横長尾根出合8:21-9:11男岳分岐-9:37駒池
―10:50阿弥陀池―11:15秋田駒ヶ岳(男女岳)11:21-11:42阿弥陀池避難
小屋12:06-12:12横岳-12:43男岳分岐-13:24横長根出合-14:09国見温泉-

(車にて移動)-ツブ沼キャンプ場(テント泊)

◆12日(月) 午前中悪天の予報の為 栗駒岳北側の須川温泉周辺の散歩に変更
※焼石クアパークひめかゆ(泊)
◆13日(火) 中沼登山口5:47-6:41中沼-7:17上沼7:22-7:54つぶ沼コース分岐
-8:27銀明水-10:20姥石平分岐10:49-12:06銀明水避難小屋-12:30
つぶ沼コース分岐-13:00上沼-13:16中沼-13:51中沼登山口

 

 

 

 

 

報告:T中(CL)
◆1日目  

 北陸道を北上し、新潟から福島を通り東北道を走る予定だったが、グーグルのナビではそのまま日本海を北上した方が距離は100㎞以上短く到着時間も30分ほど早くなる。カーナビよりグーグルナビを信用して日本海東北道道に入り田沢湖駅近くの
スーパーで食料購入してから国見温泉に到着。国見温泉キャンプ場は管理されてない用なので登山者用駐車場でテントを張る。駐車場に他の車は無かった。
◆2日目  

 夜中から雨が降出したが、早朝に他の車が集まってきた。テントの中で雨具を着てテントを撤収していると雨は小降りに変わる。スマホの電波が届かないため今日の天気情報は得られないが、他の登山者も登りだすのをみて我々も登ることとした。途中、雨具を脱ぎ急登を登る。横長根に出るがガスっていて景色は全く見えない。男岳分岐を過ぎるとコマクサの大群落が咲いていた。

 ムーミン谷に入るが、残念ながらカザグルマになっていた。少し進むと、所々チングルマの群落は残っていた。5年前にここへ来たが同様にガスっていたので、今回、その全望を見られると期待していたが、叶わず非常に残念だ。再訪しなければ(涙)。阿弥陀池に着くもガス、秋田駒ヶ岳の最高峰・男女岳の山頂に着くもガス。しかし、横岳を過ぎ大焼砂に出た時、急に下の方のガスが切れコマクサの群落と右下にムーミン谷の延々と木道が続く幻想的な景色が見られ感動した。結局、下山するまで山頂のガスが切れなかったが雨は降らず、まずまずの初日だった。

 国見温泉は硫黄分が強くてグリーン色をしていた。次の登山地・焼石岳の麓に移動ため、盛岡IC直近の大型スーパーで食料を買出し、つぶ沼キャンプ場に到着。テントを張る場所を探しているとオートキャンプ場になっていて水平にマット?が敷かれていて水はけもよい所を発見。車を横付けしテントを張る。しかも、無料だ。
◆3日目  

 今日も夜中から雨が降出し、かなり強く朝になってもやむ気配が無い。ここもスマホの電波が届かず今日の天気がわからず、一人車で電波の届く所まで移動すると、降水確率は午前中90%、午後からは20~30%、明日の天気は少し良くなりそう。テント場にもどり、今日のテントを撤収し、今後の予定を皆で相談する。結果、13日(予備日)に焼石岳に登り、今日(12日)は栗駒岳須川温泉の自然観察路で散策とした。

 ここも、5年前に来ているが湯治客用の宿泊所は大規模な工事が行われ観光客用の高原温泉ホテルと生まれ変わろうとしていた。温泉が滝のように流れていたイメージがあったが、今は流れが変わっていたが大きな乳白色の露天風呂は健在の様だ。自然観察路など昔の湯治客用?の道が湿地帯を結ぶようにあり、ワタスゲ等の花が多かった。今夜は焼石岳の麓の焼石温泉宿「ひめかゆ」で一日早い打上をした。

◆4日目  

 今夜、滋賀へ帰らなければならないので、5時宿を離れ、中沼登山口から6時前に登り始めた。平日なので、他の車は1台だけあった。沢に沿って登るが壊れかかった木道や水の流れた道など歩きにくい。足元に気を取られながら歩くが、廻りの景色を見ると東北らしいブナ林や大きな中沼、そして上沼と幻想的な風景が続く。銀明水の避難小屋は右側の少し高い所にあったため見過ごす。

 そして、2人の老夫婦が下山してきた。聞くと「雪渓があり、アイゼンを持っていないので登れないので引き返した。」とのこと。問題の雪渓に出るとそれほど大きくは無いが少し急で固く凍っていて、今の登山靴は前が丸くなっているためキックステップが効かない。少し悩むが、中央に登った跡に水が流れて雪が切れている所があり、それを利用して登る。登った先の道は右側の雪渓をトラバースする必要があったが傾斜は緩いため雪渓の上を慎重に歩いて突破した。風景がガラリと変わり高原上に出ると曇り空だが焼石岳が望めた。湿原には色とりどりの高山植物が咲きアルプスでは見られない光景が続く。写真を撮りながらや疲労がたまっているのか予定より時間がかかってようやく姥石平に到着。ここから、一息で山頂に登れるが、東焼石の方へ行くとお花畑があるが、今日は12時間以上車で滋賀に帰らなければならない。断腸の思いで此処から引き返すことにした。そのころガスがかかって焼石岳は見えなくなった。
 帰りは東京廻りの予定だったが、鳥海山の東側を通り日本海に出て、途切れながら続く日本海東北道に入り滋賀に着くと夜が明ける前だった。

                       
◆秋田駒ヶ岳(岳)1637m 7月11日(日)曇り時々小雨 報告:A隅


 昨日は早朝より各家までピックアップ。6人乗り12時間車移動にも拘らず、皆元気に国見温泉??、トイレの側で雨の中テント泊。女性3人は大部屋、男性はソロテントを組み立てる。申し訳ない。昨夜は雨。
 朝出発準備にかかると県内の10人程のグループ、個人の方が集まって来た。お天気はイケそう。一応雨具を付けて7時出発。
登り始めると、早くもピンク色のハクサンシャクナゲ、マイズルソウ、カラマツソウ、濃紫エゾツツジ等が沿道で迎えてくれる。お花鑑賞に時間が過ぎて行く。(今回は山もだけどお花観察が目的なのだ。)横長根の尾根を歩くが展望台らしい場所からは、ガスってて何も見えない。大焼砂分岐を駒池の方に下る。肥沃な黒い土にチングルマの群落がサッカー場の広さ以上に咲き誇って一際大きく美しい 板道を歩き憧れのムーミン谷の斜面を見る(10時)。これは素晴らしい。圧巻!しばし俯瞰していた。これがそうなのか。チングルマは満開、蕾、花毛と様々な過程が見られた。
 駒池の辺り、チングルマは名前の割には広~いテリトリーを保っているんだ。ここから少し登りになるが真面目に頑張れ! そのまま阿弥陀池の廻りを楽しんできつい登りの山頂を目指す。あと少しだが足元が石ゴロゴロ。時々ニッコウキスゲ、私の大好きなシラネアオイが癒してくれる。これが山頂(11時45分)6人の記念写真。
 すぐ離れて阿弥陀非難小屋で用を足し辺りで昼食。多くの登山者が休んでいた。時間が気になり出発(12時)。横岳からが今回の魅力ある大パノラマ。大焼砂のコマクサロード。運が良い。ガスは動き山々がくっきり現れ歩いてきたムーミン谷の板道が谷底に見え、ガスが谷から吹きあがってくる。ロードにはコマクサだけの群落。寒さの中に麟と咲く強い花の女王。一瞬ピンクの風がこの辺り一面に流れたような気がした。あと何年かするとコマクサも増え大きく成育して一面ピンクに染まることでしょう。
『焼け砂をすみかと定め駒草よ』 昨日から今日の花観察、何もかも旨くいきこの感動は心にしっかり残るでしょう。マー君リーダーが我々花好きの高齢者の満足気な様子を時間を気にしながらも、焦らず微笑んで見てくれていた。ありがとう!スケールの大きいこの天上の花園は、是非お薦めしたい場所です。後はルンルン気分で国見温泉に下山。(14:10)ここの温泉♨にドボ~ン。すっきりしてイオン盛岡店に立ち寄りツブ沼キャンプ場でテント泊。大・普通のキャンピングカーが停泊していて、バーベキューの設備も屋根付きであった。テン場も整備してありラクチン。(18:00)大きなテントも2回目は手際よくすぐ張れた。外で車座になってガスで煮て作った食べ物で体がほっこりしてテントの中へ。 明日の焼石宿泊宿の予約は電波が通じな
く明日現地でするとして眠りについた。朝方のテントを叩く雨音で目が覚めた。5時起床。   

 

◆焼 石 岳 7月13日(火)    曇り 時々小雨 報告:K間

 

 天気の状況を考え予備日に当てていた今日は、昨日に登る予定だった焼石岳登山です。秋田駒ケ岳と同じく花の咲き乱れる山です。中沼登山道入り口の看板から悪路の尿前林道の暗い道を20分程行くと中沼登山口の駐車場に着いた。花の時期には40台程止められるこの駐車場は満車になるそうなのだが天気が良くないのと花のピークが少し過ぎてたのか1台止まっていただけだった。
 トイレ横の林道からのスタートです。木道が敷かれ整備された気持ちのいい樹林帯を歩いて行くと道の両サイドには色とりどりの花が出迎えてくれます。雪渓が少し残っている所には水芭蕉が咲いていました。しばらく行くと中沼です。静寂の中、波も無く湖面に映り込んだ風景は鏡池のようで離れがたく、切り取った絵のようでした。進むと紫のヒオウギアヤメが目を引きます。ミズバショウがあまりにも大きくなりお化け葉っぱになっていたりハクサンチドリもたくさん咲いていました。
 しばらく行くと銀明水の冷たい水場がありその上には綺麗な避難小屋がありました。行きは見落として通過です。坂を登って行くと雪渓が広がり雪解けした所に白いヒナザクラが群生していました。スプーンカットの少し堅い雪の上をカチカチになって恐る恐る一歩一歩進み何とか越えることができた。ここからは道か沢かと言うくらいの水が多くゴツゴツした道を進みます。
 姥石平で昼食をとる。目の前に焼石岳がガスで見えたり隠れたりしている。後少しなんだが帰りの時間を考えるとここでタイムリミットです。後ろ髪引かれる思いで引き返す。帰路は一段と道に水が流れていたがもう気にもしないでジャブジャブ、黙々と降りる。下山時は花見るより足元見るだけだった。今日 出会ったのは3組6人。静かで独り占めできた山行でした。皆さん お疲れ様でした。ご一緒頂き有難うございました。  

 

◆秋田駒ヶ岳・焼石岳 報告:I野 

  

 「何とか間に合った…。」雨中、今が旬のチングルマの花畑の中、木道を滑らないように進む。秋田駒ヶ岳駒池周辺一キロ程、所々にニッコウキスゲ、ミヤマキンバイの黄色い花も混じる。雨天時の登山道は、すれ違う人も少ない。レインウエアの帽子も被って、寒いし寡黙になる。でも、幸福な時間だった。
 阿弥陀池経由で、男女岳登頂。下山は、横岳分岐からの大焼砂へ。ここは、山の斜面広範囲にコマクサの群生地がある。強風で飛ばされそうな中、ビューという風の音だけの空間。低木も育ち難い火山砂礫に,水滴を葉に溜めて咲いていた。下山後、石塚温泉に入って、幸福度五割増し。
 最終日はホテルひめかゆ宿泊。翌朝、焼石岳へ。弁当を頼む。五時に出発。樹林帯は湿地帯で、頭上注意、足元注意。木道は荒廃し折れている。階段、急登がある。湿原、池塘にヒオウギアヤメ、ミズバショウ。ミヤマツボスミレ、カラマツソウ、ヒナザクラ、神秘的なギンリュソウに似た花もあった。メンバーの観賞時間も長くなる。中沼、上沼を経由してつぶ沼コースの分岐を過ぎて銀名水到着。川の流れの中の道、ゴロゴロ石の道。雪渓登りは、氷ってキックステップが難しく時間がかかった。姥石平で休憩。焼石岳山頂は見えていたが、時間が過ぎて下山することになった。昨日のひめかゆの温泉に。そして車で帰郷。幸福の時間が終わった。
 最後になりますが、CL、企画運営、大半の運転をして頂いたT中氏。常に前を歩いて頂いたI村氏。花の名前を教えて頂いたり、食材の買出しで果物を忘れない、明るい雰囲気のA隅さん、S井さん、K間さん、お世話になりました。