北アルプスの秘境 餓鬼岳~唐沢岳 縦走に挑む

日   程: 2018年8月3日(金)夕発~6日(月)前夜発小屋2泊

       8/3(金)夜大津18時出発→名神・中央道→安曇野IC→道の駅安曇野ほりがねの里Pで仮眠

参 加 者: Y森(CL)K西(SL・記録)M内(会計)K川享(記録)の4人

コース概要

餓鬼岳~唐沢岳 ルート図
餓鬼岳~唐沢岳 ルート図

記録

8月4日(土)  つらい登りのあとは絶景 いやビールか?

 

コースタイム

6:00道の駅出発→白沢登山口(993m)出発7:15→紅葉の滝→魚止めの滝→ 9:55最終水場(1460m)→12:40大凪山(2079m)→ 百曲がり→16:13餓鬼小屋到着

距離 6.7k 累計標高差 登り1.650m 下り-50m

 毎週北アルプス、近郊の山々を闊歩している強者山熟女3人とその報告だけみて羨ましがっているよわい者1人で北アルプスの秘境といわれる餓鬼岳から唐沢岳へ行って来ました。
 8/4(土)仮眠していた駐車場のトイレで大天井から燕岳を縦走してきたという女性陣に餓鬼岳にこれから行くと言うと「それはワンランク上の山ですね」と言われ、「へぇそうですか」と呑気に応えたけれど。山名の由来は安曇野から見上げる岩壁がそばだっているので、「崖(がけ)岳」からとする説もあり、又麓の長野県大町市の餓鬼(飢餓)の伝承からとも言われている。北アルプスと言っても奥深くアプローチのしにくい秘境の山域だ。しかし白沢登山口には、狭いけれど十数台の車がすでに停まっていた。さあいよいよ出発だ。沢沿いを爽やかに暫く歩くとすぐに沢をへつる、鎖、梯子の連続で気が抜けない緊張が続く。先日の豪雨で山肌が崩れている個所もあり、かなり危ない。紅葉の滝、魚止めの滝を超えて自然林に囲まれた清流を楽しむこともなくやっと最終の水場辿りに辿り着く。ちょっと一息。でもここからが餓鬼岳へのアプローチへの正念場。1500mから急登が始まる。ガレ場、鎖、岩場。手強いぞ。足にきてるぞ。これはいかん。ここは強者達に甘えさせてもらって荷物を負担してもらう。やれやれ、これでなんとか登れるぞ。2079m大凪山に5時間25分かかって計画より1時間遅れで到着。女の子1人を含んだ若者3人が降りてくる。4時に出発して日帰りで餓鬼岳を往復した帰りだと言う。流石だ。「小屋に2泊で唐沢岳までって良いですね」「そうなんです。おばさんたちは体力はないけど時間があるからね。」
 そしてここからです。またもや大曲りの急登が始まります。2300m~2600m長いよ。ここへ来てまた、この登りは堪える。おばさんには堪える。小屋まで30分、15分の標識も疎ましい。まだかいな。やっと1時間15分遅れで16時15分小屋に到着。荷物をデポして、餓鬼岳へ。行って帰って20分。山頂は、北アルプスの山々の稜線を360度楽しむことが出来るのだが、その感動を味あう前にヘトヘト。祠に無事の登頂を感謝する。餓鬼小屋は、本当に昔ながらの山小屋。夕食は、かやくご飯とちらし寿司が名物とか。グレープフルーツが半分出るのも嬉しい。取りあえずは、ビールで乾杯しなくっちゃ。お疲れ様。強者達も疲れたそうだ。明日はいよいよ、餓鬼岳を登頂した人だけが行ける唐沢岳に挑みます。

(記 K川享子)

 

Photo Gallery (クリックで拡大)

8月5日(日)  いざ、唐沢岳へ

 

コースタイム

6:00 餓鬼岳小屋発→6:08餓鬼岳(2647.3)→7:10展望台→7:52餓鬼のコブ→8:55 P2489→10:15唐沢岳(2632.5)→11:45 P2489→13:00餓鬼のコブ→13:58展望台→14:39餓鬼岳→14:45餓鬼岳小屋着

距離 5.8km 累積標高差  登り 1,050 m   下り 1,050 m

 北アルプスの秘境とも言われている「餓鬼岳」と「唐沢岳」今日は「唐沢岳」を目指します。昨日ちょいと登つた展望のいい餓鬼岳山頂。しばらく360度の眺望を堪能。この先に目指す唐沢岳のピークが見えます。展望台までうす~いペンキを頼りに岩稜帯を抜けます。コマクサの群落地ですが姿なし。餓鬼のコブまでは下り始めはザレ場で、滑らない様足元をしっかり保ち樹林帯の中を160m下り20m登り返すと餓鬼のコブに出ます(帰路が怖~い)唐沢岳が間近に迫ってきた様です。ここも眺めが良いです。再び樹林帯の中を上り下りしてザレ場の急登を抜けると(途中の砂礫地にコマクサが咲いていました)唐沢岳直下の岩場に出るのですが、そこを巻いて山頂に。今までも緊張したけれど急なザレ場があり一層緊張!ロープも張ってあるが足元をしっかり注意しておかないと危ない場面。何とか過ぎ岩稜伝いに進むと唐沢岳に到着!
展望は晴天の下。最高!餓鬼岳・燕岳・野口五郎岳・鹿島槍ヶ岳・・ここでも360度の眺望を満喫して来路を帰りましょう。緊張したザレ場は足元をしっかり保てば問題なく下れました。しかし、足の疲れもあり岩稜帯を抜けなければならないので餓鬼岳に辿り着くまでは慎重に。小屋に着いた時はクタクタでした。
 夕食は餓鬼岳小屋名物の「ちらし寿司」&グレープフルーツ。お腹いっぱいになりました。

 

※静かなアルプス「餓鬼岳」に来る人はいますが(それでも少ない)「唐沢岳」まで足を伸ばす人はなかなかいません・・こんなマイナーな山を制覇出来て充実感いっぱいの山行でした。そして・・手強い「唐沢岳」でした。

(記 K西)

 

Photo Gallery (クリックで拡大)

8月6日(月)  慎重に下山

 

コースタイム

6:00餓鬼岳小屋発→6:55百曲がり入口→8:16大凪山→10:00最終水場
(下りなので最初の水場)→12:30白沢登山口
距離 6.7km 累計標高差 登り 50m 下り -1.650m

 いよいよ最終日。今日も気が抜けない。家に無事に帰って初めて山行終了だ。頑張って行こう。小屋の展望台からは遠くに富士山が見える。6:00小屋出発。一歩一歩慎重に降りて行く。6:55百曲がりの入り口。サンカヨウ、トリカブト、ヒョウタンボク、クロトウヒレン、ウサギギク、レイジンソウ、ハクサンオミナエシ、ヤマリンドウ、コバナなど実や花々、ダテカンバの美しい広葉樹の山々も改めて深く深呼吸して噛みしめる。ありがたいことだ。降りて改めてこんな所を登って来たのかと。ガレ場、急登、岩場本当に大変な道が続く。北アルプスの三大急登には入ってないが、それらに匹敵するのではないだろうか。途中で大きな石を落してしまって、皆が「ラク」叫んで下さったので少し下を下ってた女性が、避けることが出来ましたって。あたらなくて良かった。その人は、10年前から300名山を目指していて、今180座目だそうだ。北アルプスを全部登ったのでここへ来たという人もおられた。餓鬼岳、唐沢岳はそんな山なんだ。みんなが憧れる華やかな北アルプスとは異にしていぶし銀の様に在る。登りたいなら登りに来なさいと。最後まで緊張が続く下りを終えて登山口に予定通り12時30分到着。
 よくやったよ。山熟女4人。褒めてあげたい。この年齢がきっとこの山に挑む限界だったのではと思う。もう来ません。いえ、来ることは出来ません。若くてチャレンジ精神と体力と技術がある方は挑戦してください。お年寄りにはお勧めしません。餓鬼に挑んだ山姥(山姥って言わないで)達、お疲れ様でした。そして一杯ご迷惑をおかけしました。ありがとうございました。感謝。感謝。

(記 K川享子) 

 

Photo Gallery (クリックで拡大)