鈴鹿  茨川~御池岳~土倉岳

日   程: 2014年11月30日(日)
天   候: 晴れのち曇り
参 加 者: K澤(CL・記録)、N西
コースタイム:7:01御池林道P ⇒7:34 ノタノ坂 ⇒8:28茨川 ⇒9:27三筋滝 ⇒9:58土倉谷⇒11:17 白船峠分岐 ⇒11:55  906(昼食)12:16 ⇒13:13御池岳~13:25⇒13:51土倉入口 ⇒13:05土倉岳 ⇒14:16  962分岐 ⇒14:51ノタノ坂
⇒15:24御池林道P


記   録

ルート図
ルート図

御池林道から御池岳を目指すルートの中でも非常にマニアックなルートです。
下見の時は頂上まで誰にも会いませんでした。本番の今回は、白瀬峠分岐~御池岳の間で4組・9人の方に出会いました。それでも、我々と同じルートの方は居られませんでした。
このルートはせっかく登ったノタノ坂をあっさりと下り、廃村茨川に降ります。
そこからが本骨頂です。906の少し手前まで川沿いに登山道は無く、心地よいせせらぎの音の中、2~3m程度の幅の川を右に左に何度も渡渉を繰り返します。「沢登り」ではなく「沢歩き」の趣です。水深は15cm程度で登山靴では濡れてしまうこと必至です。そのため長靴に履き替えます。これだと、どこでも容易に渡れます。谷の中、至る所に倒木があり、行く手を阻みます。
三筋滝は実は一筋です。ここは固定ロープが有りますが、急斜面の手強い高巻です。5m小滝では私は直登したのですが、安全を期して中西さんには巻いてもらいました。※ここは簡易ハーネスと、10mザイルを持参しました。
白瀬峠分岐を越えてからは伏流になり涸れた滝の岩登りが続き、906の手前で再び小川が現れます。
906で昼食を取り、登山靴に履き替え、ガレ谷の中をひたすら登り、後半は泥斜面と格闘し御池岳に達しました。午前中は晴天でしたが、急激に雲行きが怪しくなり、風が強まってきました。テーブルランドを急ぎ足で歩き、土倉岳を経由して雨雲と競争しながら駐車地に戻りました。

茨川の神社
茨川の神社
三筋滝
三筋滝

5m滝
5m滝
白瀬峠分岐を過ぎて
白瀬峠分岐を過ぎて

906
906
ボタンブチ
ボタンブチ



【林道走行時のパンクにご用心】


11月30日 御池の下山後、君が畑集落を過ぎたところにクルマが1台停まっており、中年女性が3人 クルマの周りで何やらバタバタしていました。「何かお困りですか?」と声をかけると「はい、パンクです。すごく困っています!」との返事。
聞けば、走行中にシューとすごい音がして「何だろう?」とクルマを停めたらパンクだったとのこと。さすが、おばちゃん(失礼!)最近のクルマにはスペアタイヤが無いこともご存じなかったとのこと。しかもパンクの原因はどうやら尖った小石を避けもせず、踏んだためらしいのです。


私も「パンク修理剤」を使うのは初めての経験です。
皆で説明書を見ても良く判らず、なかなか薬剤が入りません。ようやく理解でき、タイヤのエアーバルブを外して薬剤を注入。エアーコンプレッサーで空気を充填しながら、どこに有るか判らない穴を薬剤が塞ぐようにタイヤを回転させます。
しかし5分もコンプレッサーを運転しても一向に空気圧メーターが100kPa以上に上がりません。

※通常、空気圧は200~230kPa程度。
「おかしいな?」と思ってコンプレッサーを止めると「シュー」という空気の漏れる音!
手探りでタイヤの内側を触ると、2cm程度の亀裂が有りました。


「こりゃあアカン!こんなに亀裂が大きくてはパンク修理剤では無理!たぶんタイヤ屋さんでも修理不能で、新品タイヤ購入になると思うよ」と言いました。
ここでまたもおばちゃんのとんでもない仕業。坂道だったので「サイドブレーキをもっと引いて」と言ったら、逆に緩んでジャッキが傾く緊急事態!実は足踏み式のサイドブレーキは効いた状態で踏むと外れるのです。私はレバー式だとの先入観があり、クルマの持ち主はジャッキアップ中に緩むといかに危険かを知らなかったのです。


小1時間格闘したのですが、結局はホイールを外し、故障車はジャッキアップしたまま現地に放棄。夕闇が迫る中、おばちゃん3人とタイヤを私のクルマに載せ、私たちの駐車地(あいとうマーガレットST)とは違う方向の永源寺に向けて出発しました。「政所小学校(廃校)で降ろしてください」ということで到着するも、迎えのご主人はまだかなり遠いとのこと。「どちらにお帰りですか?我々はあいとうマーガレットSTに行きます」と言うと、「私たちも、その近所です」との返事で、結局はあいとうマーガレットSTまで乗せていくことになりました。


車中で「地獄で仏とはこのことです」「困ったときはお互い様ですよ」と話をしながら、何をしに君が畑まで来たのかを聞けば「そこの神社がパワースポットなんです」とか。
とんだパワーですね。永源寺ダム湖のすぐ手前では我々の前の車が40cm角の岩に直撃され小破。声を掛けると、人は無事で自走可能とのこと。こちらは満員ですので、先を急ぎました。

無事にあいとうマーガレットSTに着き、挨拶もそこそこに迎えのご主人に3人とタイヤを引き渡し、ようやく「パンク騒動」は終了しました。


なお 車中、おばちゃんがしきりに「どこのどなたですか?」と聞くので応えると、後日丁寧なお礼状とともに缶ビールが届きました。ありがたく頂戴しました。



お礼状(クリックで拡大)


【読まれた方へ】
他人事だと笑っていたら、いつ わが身に降りかかるか。判りませんよ。
パンク修理剤の使い方はもとより、女性の方はジャッキを掛ける位置すら、ご存じない方が多いのではありませんか?
 まずは危険を避けることが大事です。尖った石は小石でも避けましょう。
 イザと言う時に困らないように説明書を良く読み、十分理解しておきましょう。パンク修理剤の使い方がどうしても「理解不能」な場合は、クルマ屋さんに行けば丁寧に教えてくれるでしょう。
 パンク修理剤は「クギや針金」などを踏んだ場合の「ピンホール」には有効ですが、タイヤが大きく裂ける「バースト」には対応不能です。
 ジャッキアップは水平な場所で。足踏み式サイドブレーキは踏むと外れることにも注意が必要です。
タイヤ止めを積んでおくと安心です。
 最近のクルマにはスペアタイヤは有りません。しかし、オプション選択は可能なようです。オフロード4駆は正規サイズが付いているように、林道走行が多い人はスペアタイヤ付が安心かもしれません。


皆さんの登山が安全で楽しいもので有りますように!

K澤