扇沢から針ノ木岳周回

日   程: 2014年7月13日(日)前日夕現地入り
天   候: 曇りのち雨
参 加 者: TS(CL)、YN、AN

アクセス: 行き 13:45 栗東IC = 17:00 安曇野IC = 扇沢 

      帰り 扇沢 15:30 - 16:00 温泉 - 17:00夕食(大町市内) = 18:00安曇野IC = 22:00栗東IC 

コースタイム: 3:10扇沢P – 4:03大沢小屋4:10 – 4:45針ノ木雪渓取付 - 6:05針ノ木小屋6:30 – 7:22針ノ木岳- 8:27スバリ岳 – 9:52赤沢岳 – 10:25鳴沢岳 – 10:50新越山荘11:20 – 11:45新越岳 - 12:00岩小屋沢岳 - 13:10種池山荘13:22 – 14:50爺ヶ岳登山口 - 15:00扇沢P

 

記   録

 以前からやってみたかったこの周回コース。せっかくなんで蓮華岳・爺ヶ岳のピークも組み込みたいが、日帰りにはさらに自分へのハードルを上げてしまいそうなので、両ピークはいつの日かの縦走のお楽しみにとっておく。

 余裕を持って前日の昼に大津を立ち、夕方大町入り。近くのスーパーで少々のアルコールを調達し、立山黒部アルペンルートの扇沢駅駐車場には18時ごろ到着。土曜日の夕方ということで、無料駐車場も5割程度の駐車率。トイレやテントを張ることを考え3人で割れば36時間で1000円は納得価格ということで有料の快適スペースに駐車。人通りもほとんどなく、晩メシの時間もゆっくりと過ごせた。

 翌2時半起床、3時出発。寝る前に見えていた月は分厚い雲に隠され、湿度も高い。降水確率は午後50%に上がっていた。様子をみながら針ノ木峠の小屋までは行こうと決めて歩き始める。舗装路と登山道が交互にありわかりにくい箇所もあるが、日本三大雪渓への登山道は整備も行き届き順調に大沢小屋を経て雪渓へ取付く。

 

針ノ木小屋スタッフが設置した鯉のぼりを目印に雪渓を登る
針ノ木小屋スタッフが設置した鯉のぼりを目印に雪渓を登る
日本三大雪渓の針ノ木雪渓を歩く
日本三大雪渓の針ノ木雪渓を歩く

 

 今日の縦走距離を考えると雪渓上部はステップもきってあることだし、軽アイゼンで軽量化しても大丈夫と思ったのが甘かった。やはり日本三大…というくらいの規模だ。12本アイゼンを持ってくるべきだった。斜面が急になればなるほど後悔する。直登ではなく九十九折に登り、なんとかしのいだ。

 雪渓を1時間強、登りつめたところが針ノ木小屋。計画より1時間半早い6時に到着。かなり貯金が出来た。ここで、このまま計画どおり周回コースへ行くか、蓮華岳散策して下山するかの判断をしなくてはいけない。針ノ木小屋の小屋番さんに今日の天候と登山道の状況を確認する。すると小屋番さんはiPadに保存した写真で登山道の状況を説明してくれた。写真で見せてもらうとこちらも安心する。ただ、天気は下り坂。やはり午後は雨になりそうだ。が、今朝、扇沢から登ってきたことを伝えると小屋番さんはOKを出してくれた。あとは我々の判断だが、雨の降らないうちに岩稜帯を抜けようと決め、周回コースへと出発した。

 

針ノ木小屋には親切な小屋番さんがおられます
針ノ木小屋には親切な小屋番さんがおられます
槍・穂高 針ノ木峠から
槍・穂高 針ノ木峠から

雪渓に咲き誇るお花たち
雪渓に咲き誇るお花たち
チングルマ
チングルマ

 

 小屋を出てテン場を抜け針ノ木岳までは1時間かからない。途中、雪渓をトラバースするが針ノ木小屋のスタッフがステップをきってくれている。登りに使うぶんには問題なし。安心して通過できた。

針ノ木岳山頂からは360度の展望。これから歩く後立山、西には劔・立山、南には常念山脈と穂高。青空はないけど、これだけの展望が見れただけでも満足。

 

針ノ木岳山頂にて
針ノ木岳山頂にて
劔・立山
劔・立山

 

 次は、針ノ木岳からは登ってきたのとは反対方向のスバリ岳へ。北アルプスらしい岩稜歩き。といっても歩きにくい印象はなかった。それより、スバリ直下からマヤクボのコルにかけてコマクサがちょうど見ごろを迎えていて、予想外の出会いに感動。雨が降る前に岩稜を抜けるってリーダーが言ってるのにそっちのけで写真を撮ることに集中してしまう。スミマセン。他にもたくさんの高山植物が見ごろで目を奪われた。

 

黒部湖を見ながらの稜線歩き
黒部湖を見ながらの稜線歩き
コマクサ
コマクサ


岩弁慶と黒部湖
岩弁慶と黒部湖
深山苧環(ミヤマオダマキ)
深山苧環(ミヤマオダマキ)

イワウメ
イワウメ
ハクサンイチゲ
ハクサンイチゲ

イワツメクサ
イワツメクサ
アカモノ
アカモノ

キバナノコマノツメ
キバナノコマノツメ
チングルマ
チングルマ

 

 8時30分 スバリ岳。予定より早いペースで刻んでいたがついに雨が落ちてきた。午前中は降水確率30%だが、下りなのはまちがいない。予報よりも天候は早くくずれた。ただ、風もなくポツポツ程度なのでレインウェアは着ずにしばらく歩く。次は赤沢岳へ。

 

赤沢岳への稜線
赤沢岳への稜線
赤沢岳山頂
赤沢岳山頂

 

 雨と風も本格的になってくるにつれ、景色を見る余裕もなくなってきた。次は鳴沢岳。アルプスのアップダウンはやはりキツイが、ANさんに先頭を交代し引っ張ってもらう。

 

赤沢岳から鳴沢岳へ
赤沢岳から鳴沢岳へ
鳴沢岳山頂
鳴沢岳山頂

 

 10時25分 鳴沢岳。ここで岩稜帯は落ち着く。しかも、予定のコースタイムをスバリから30分も縮めることが出来た。本来ならここは12時通過の予定。雨の中よくそんな歩きが出来たもんだと、記録を見返して今思う。とにかく雨に降られて寒さもピーク。鳴沢岳から30分の新越山荘へ急いだ。

 

新越山荘。ここの小屋番さんもとても親切。
新越山荘。ここの小屋番さんもとても親切。
出発前。新越山荘にて。
出発前。新越山荘にて。

 

 新越山荘からはあと岩小屋沢岳を残すのみ。無事周回の目途がたち、山荘ではゆっくり30分の休憩をとった。ここでの小屋休憩、本当にありがたかった。私はコーラをイッキのみ。350円!とか言ってられない。雨はついに本降りになり、レインウェア上下の完全雨スタイルで残すトレイルに出発した。

 

この日、最後の登り。
この日、最後の登り。
岩小屋沢岳。ピークはこれで終了。
岩小屋沢岳。ピークはこれで終了。

 

 最後の岩小屋沢岳に12時ちょうどに無事登頂出来た。本当にひと安心。あとは種池山荘まで緩やかな下りを楽しむ。時おり咲いている高山植物に癒されながら。

 

ミヤマクワガタ
ミヤマクワガタ

シナノキンバイ
シナノキンバイ
キヌガサソウたち
キヌガサソウたち

梅雨のサンカヨウ
梅雨のサンカヨウ
サンカヨウとキヌガサソウ
サンカヨウとキヌガサソウ

 

 最後の小屋、種池山荘に13時すぎに到着。やはり1時間半ほど貯金がある。山荘内は登山者でいっぱい。座る余裕はなかった。とりあえず、おにぎり1個をおなかに入れて、すぐ柏原新道から下山した。時間的には今日行けなくはないが、雨の日に無理しても仕方ないので爺ヶ岳へはまたいつか来よう。

 

種池山荘と爺ヶ岳
種池山荘と爺ヶ岳
縦走路から柏原新道へ
縦走路から柏原新道へ

柏原新道で一際目立っていたムラサキヤシオ
柏原新道で一際目立っていたムラサキヤシオ
サクサク下山中
サクサク下山中

爺ヶ岳登山口へ
爺ヶ岳登山口へ
15時 扇沢へ帰還
15時 扇沢へ帰還

 

 メンバー全員の都合がつけば、土曜日は針ノ木小屋に泊まり蓮華岳・爺ヶ岳も組み込んでゆっくり歩く計画も考えました。ただ、日帰り周回に挑戦するのもまたひとつの醍醐味。下山予定17時15分のところを14時50分。一緒に歩いてもらって想定以上の早い時間に下山できたことは、本当にメンバーに感謝です。お花の写真もいつもより多く撮れたし、景色が見れない分、3人でお花の勉強しながら歩けたのも良かったと思います。

 下山後は大町温泉郷薬師の湯で汗を流し、信濃大町駅近くの「昭和軒」さんでソースかつ丼をいただいて帰路に着きました。